2014年2月17日から2月18日にかけて、日本発の情報セキュリティ国際会議「CODE BLUE」が開催される(関連記事:日本発の情報セキュリティ国際会議「CODE BLUE」、2014年2月に開催)。

 CODE BLUEを開催する目的の一つは、国内の優れたセキュリティ研究ならびに専門家を海外に発信すること。CODE BLUEでは、厳しい審査を通過した12件の論文が、基調講演2件とともに発表される(関連記事:ファイルサイズから“悪意”を見抜く、マルウエア検出の新手法)。

 そのうち、国内の研究者による論文は7件。今回の論文審査および審査の取りまとめを担当した、自身も著名なセキュリティ研究者である鵜飼裕司氏に、CODE BLUEへの投稿論文の傾向などについて聞いた。

(聞き手は勝村 幸博=日経コンピュータ


論文の投稿状況や、投稿された論文に対する感想を教えてほしい。

FFRI 代表取締役社長 鵜飼裕司氏
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 予想以上にクオリティの高い論文が多かった。当初、採択する論文数は8件の予定だった。だが、8件に絞り切れなかったので、12件発表してもらうことにした。応募総数についてはここでは控えたいが、競争率は高かった。例えば、有名な情報セキュリティ国際会議「Black Hat」よりも、競争率は高かったと思う。

 今回のCODE BLUEは、海外でも話題にしてもらえたので、国内だけではなく、海外からも多数の論文が投稿された。論文数は、海外からの方が多かった。ただ、クオリティは、国内からの論文の方が高かった印象がある。特に、過去に例がない、新規性の高い研究が多かった。

CODE BLUEでは同時通訳を用意し、日本語による講演を可能にした。その効果はあったか。

 効果は十分にあったと思う。日本語による講演を可能にしたことで、投稿のハードルが下がったようだ。今まで国内の学会などでは発表していたものの、国際会議には参加していないような人が論文を投稿してくれた。それが、論文のクオリティの高さにつながっていると思う。