米Amazon.comなどのネット通販企業が急速に売り上げを伸ばす中、既存の小売企業が生き残るためには、どんな戦略をとればいいのか。アクセンチュアで小売業界向けサービスを統括するクリストファー・ドネリー氏に聞いた。

(聞き手は平田 昌信=ITpro Active



アクセンチュア グローバル リテール部門統括 マネジング・ディレクターのクリストファー・ドネリー氏
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小売業界は、大きな変化に直面しているように思えます。

 私たちは、今後5年間で小売企業が迎えることになる変化は、過去50年の変化よりも大きなものになると思っています。変化のトリガーになっているのは、間違いなく「デジタル化の波」です。

消費者にも変化が見られるのでしょうか。

 アクセンチュアが世界8カ国6000人の消費者と、60社のグローバル小売企業を対象に実施した調査(Seamless Retail Global Consumer Survey)によれば、今の消費者は、チャネル横断でシームレスな購買体験(shopping experience)を求めています。世代を問わず、実店舗、ネット、モバイル、SNSなどのチャネルを横断して、一貫した購買体験を求めているのです。

 例えば、消費者の51%は、オンライン、モバイル、実店舗でも変わらない品揃えを期待しており、49%はどのチャネルでも同じディスカウントが行われることを望んでおり、63%はどのチャネルでも同じ価格で購入できることを望んでいます。

小売企業は、こうした消費者の変化に対応する必要がある。