米AnchorFreeは無線LAN接続時のセキュリティ対策を実現するVPNソフト「Hotspot Shield」を開発した会社。Hotspot Shieldは世界190カ国で利用され、約1億7500万回ダウンロードされている人気のソフトだ。国内ではソースネクストが「Wi-Fi セキュリティ」という名称で、2013年10月17日に販売を開始した。Hotspot Shieldを開発した背景や製品の機能について、AnchorFree CEO&Co-FounderであるDavid Gorodyansky(デービッド ゴロディヤンスキー)氏に聞いた。
Hotspot Shieldを開発した背景は。

私は、世界中のほとんどの人がインターネットにアクセスするようになるときがくると考えている。そうしたときに向け、「インターネットに自由にアクセスできるようにしたい」、さらには「プライバシーも守りたい」と考えて会社を立ち上げた。
立ち上げの準備中、コーヒーショップなどで公衆無線LANに接続して作業することがあったのだが、「この環境は安全ではないのでは?」と感じていた。これがHotspot Shieldを開発するきっかけの一つになった。
Hotspot Shieldはどんなソフトなのか。
ユーザーの端末にHotspot Shieldをインストールすると、端末と弊社のサーバー(VPNサーバー)との間を仮想的な専用線(VPN:Virtual Private Network)で結び、通信を暗号化する。すべての通信を弊社のVPNサーバー経由で行うことで、大きく4つのメリットがある。
一つめは「公衆無線LAN接続時のセキュリティ確保」。悪意あるユーザーが同じ公衆無線LANのアクセスポイントにつないでいても、データを盗み見られるといったことを防げる。
二つめは「オンラインでのプライバシー保護」。VPNサーバーを経由することで、通信相手からはVPNサーバーのIPアドレスがアクセス元に見えるため、個人の匿名化が可能になる。
三つめは「自国のコンテンツへのアクセス」。海外出張時に自国のコンテンツやサービスにアクセスするとき、IPアドレスが他国のものだとアクセスできないことがある。我々は複数の国にVPNサーバーを設置しているため、ユーザーが自国のVPNサーバーを選んで接続することで、自国のコンテンツにアクセスできるようになる。
四つめは「データ圧縮」。VPNサーバーを経由する際、写真と動画のデータを圧縮する。今のところ、この機能はiOSだけに提供している。
VPNではどんな技術を使っているのか。
SSL/TLSやIPsecなどの一般的なVPN技術に独自のカスタマイズを加え、端末の種類(デスクトップPCやモバイル端末など)や、接続するネットワークに応じて適切な技術を使い分けるようにしている。