米サン・マイクロシステムズの共同創業者や元CEO(最高経営責任者)として知られ、現在は日本サード・パーティの最高経営顧問としても活躍しているのがスコット・マクネリ氏だ。日本サード・パーティとマクネリ氏はサーバー事業で20年来の関係があり、同社のソーシャルメディア「Wayin Hub」の事業やグローバルエンジニア育成の世界共通テスト「GAIT」、グローバルITアセスメント協会「GITA」にも尽力。IT人材育成を重視している。マクネリ氏は今のIT業界をどう見るのか。

(聞き手は大山 繁樹=ITpro

日本サード・パーティと共同でビジネスを展開中だが。

写真●日本サード・パーティ最高経営顧問、スコット・マクネリ氏
写真●日本サード・パーティ最高経営顧問、スコット・マクネリ氏
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 日本サード・パーティとは、サーバー事業で20年来、ビジネスしてきた関係があった。互いに信頼を築き、一緒に育ってきた仲間といえる。相手の人となりもよく知っていたので、共同してビジネスをやっていくのが自然の流れだったのだろう。

 そうした、かつてのクライアントサーバー時代の後でもIT業界にはさまざまなトレンドがあった。多くの動きは、我々がサーバー事業を展開していたときから予想していたものだ。オープン化の波が来て、さらにインターネットが中核になり、必然的にクラウドが出てきた。そしていまや世界中で、データセンターがITリソースの中心とさえ言える。

 現在、起こっているトレンドは、モノのインターネットと呼ばれるIoT(Internet of Things)である。パソコンだけでなく、センサーやカメラなどすべてのデバイスがつながっていく。データが膨大になり、これらを処理するため「ビッグデータ」が叫ばれている。IT化が進めば当然、そうなると考えていた。

ソーシャルメディアも急拡大している。

 ソーシャルメディアは面白い。私は米WayinでクラウドサービスのWayin Hubを手がけ、日本サード・パーティでも展開している。ツイッター投稿から自社商品やサービスのツイートを抽出して表示できるようにするものだ。

 ウエラアブル型のコンピュータも予想していた。すると実際、グーグルからメガネ型情報端末「グーグルグラス」が出てきた。また、さまざまなIT化の進展に伴って、個人のプライバシーが脅かされるのでは、とも見ていた。世界的にそうなりつつあるといえるのではないか。

 ロボティクスの技術も非常に気になっている。無人偵察機が登場しているように、リモートコントロールやセンサーの技術と結びつき、遠隔から操作できると市場は大きく広がる。陸上や海上、航空などで多くのロボットが今後は活躍するだろう。

 ロボットといっても、中身の技術は実はスマートフォンと同じようなものなのだ。機械部分のほかは通信やセンサー、カメラなどで、いわばスマホをロボットに乗せているのである。