データ統合ソフトを手がける米インフォマティカの会長兼CEOのソヘイブ・アバシ氏が来日、今後の方針などを聞いた。過去7年間の業績は好調に推移し、「新しい需要に応じて新製品を常に投入してきたことが成長につながった」とアバシ氏は言う。さらにビッグデータ時代に向けた新しいソリューション環境として「Vibe」を提唱。「仮想データマシン」と呼ぶ独自技術を各システムや機器に埋め込むことで、データのタイプや量などを問わずに統合できるようにしている。

(聞き手は大山 繁樹=ITpro

業績は好調と聞くが、どんな経営方針で進めているのか。

写真●米インフォマティカ会長兼CEOのソヘイブ・アバシ氏(写真撮影:棚橋亮)
写真●米インフォマティカ会長兼CEOのソヘイブ・アバシ氏(写真撮影:棚橋亮)
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 直近の第2四半期(2013年4~6月)の売り上げは17%増だった。過去7年間の業績を見ても平均17%増で推移しており、順調に伸びている。

 業績を維持している大きな理由は、マーケットの動向に応じた新製品を四半期ごとに投入してきたからだ。クラウドや最近のビッグデータに対する顧客の関心は非常に高い。そうした顧客のニーズを常につかまえ、製品を開発してきた。データ統合の技術にフォーカスし、軸足がぶれることなく注力するなど、この分野では他社に負けない自負がある。今年6月にも多くの新製品を発表した。

 さらに当社は独立系のICTベンダーなので、データベースやアプリケーションの大手ベンダーからは等距離の関係にあることも強みの一つだ。どこに属さずに、中立的な立場を維持しているため、顧客からの信頼を得ているのだろう。

米国ではビッグデータはどう受け止められているのか。

 米国でも多くの企業がビッグデータを意識しているが、ビッグデータの定義も混乱しているようで、膨大なデータをどう活用すべきか分からないという企業も少なくない。

 今までの企業情報システムは、主に業務の生産性や効率性の向上を狙っていたから、導入効果が分かりやすかったと思う。しかしビッグデータでは、データをいかに価値ある存在にするかが問われる。同じデータでも分析によって宝の山になるかもしれないし、ゴミの山になるかもしれない。企業情報システムとしての役割が異なってきたのだ。データは企業にとっての戦略的な資産になるからこそ、データサイエンティストという新たな役割が求められるのだろう。