写真1●中国ファーウェイ 法人向けICTソリューション事業担当 常務取締役兼社長 徐文偉(ウィリアム・シュー)氏
写真1●中国ファーウェイ 法人向けICTソリューション事業担当 常務取締役兼社長 徐文偉(ウィリアム・シュー)氏


 通信インフラ機器市場やモバイル端末市場で、瞬く間に世界有数の企業となった中国ファーウェイ(華為技術、関連記事)。ここに来て、通信インフラ機器分野やモバイル端末分野に加えて、エンタープライズ分野のビジネスに急速に力を入れ始めている(関連記事)。2013年に入って日本でもエンタープライズ分野を本格的に立ち上げた。2013年6月のInterop Tokyo 2013の開催に合わせて来日した中国ファーウェイのエンタープライズ分野のトップで、法人向けICTソリューション事業担当 常務取締役兼社長を務める徐文偉(ウィリアム・シュー)氏(写真1)に、日本市場への期待や戦略、目標を聞いた。

(聞き手は堀越 功=日経コミュニケーション

Interop Tokyo 2013会場内では、ファーウェイとして日本市場で初めてデータセンター向けスイッチやIP関連製品、ユニファイドコミュニケーション(UC)など、法人向けソリューションを披露した(写真2)。日本でもエンタープライズ分野のビジネスを本格化させようという気概が伝わってくる。ファーウェイとして日本のエンタープライズ市場をどのように位置付けているのか。

 ファーウェイ全体では、全世界32カ国向けにエンタープライズ分野のビジネス戦略を策定している。我々は日本のエンタープライズ市場に特に関心を持っている。なぜなら日本市場では、革新的で高品質、さらに良質なアフターサービスを持っていないと市場で生き残れないからだ。

写真2●2013年6月に開催された「Interop Tokyo 2013」において、ファーウェイは日本市場向けに初めて法人分野の製品、ソリューション郡をまとめて披露した。
写真2●2013年6月に開催された「Interop Tokyo 2013」において、ファーウェイは日本市場向けに初めて法人分野の製品、ソリューション郡をまとめて披露した。

 ファーウェイは研究開発に大きな投資をしている企業であり、革新的で高品質という要素を最も重視している。日本市場の品質に対する要求の高さは欧米を超えている。ファーウェイの製品が、日本の法人市場で受け入れられるのであれば、世界のどこにいっても受け入れられるだろう。つまりファーウェイのエンタープライズビジネスにとって日本は戦略的な市場であり、長期的に投資していくべき市場と位置付けている。

日本市場でこれまでファーウェイは、通信インフラ分野や端末分野に進出している。しかしエンタープライズ分野のビジネスでは、特定の通信事業者への営業だけでなく、幅広く法人ユーザーに食い込む必要がある。どのような体制で日本の法人ユーザーを開拓する考えか。

 ご指摘の通り、通信インフラ分野、端末分野、エンタープライズ分野は、それぞれターゲットも違えばビジネスモデルも異なる。エンタープライズ分野のビジネスでは、パートナーとなるSIerと協力関係を築いて、市場を拡大していく考えだ。

 例えば日本においては、既に日商エレクトロニクスやユニアデックスなどとパートナーシップを築いた。このようなパートナー企業がファーウェイの製品とソリューションを扱い、アフターサービスも提供していく。今後も、もっとたくさんのパートナー企業を開拓したい。

 ファーウェイ自身も、プロダクトマネージャーとアカウントマネージャーが一緒になってエンドユーザーに直接営業に行く。このようなアプローチを弊社の中では「ハイタッチ」と称している。直接エンドユーザーにアプローチすることで、ファーウェイのブランドの確立と、ユーザーのニーズに基づいたソリューションが提供できるようになる。