海外展開のコンサルティングなどを手がけるSDLジャパンは、ソーシャルメディア上の書き込みをモニタリングして分析する、いわゆる「ソーシャルインテリジェンス」ソリューションを5月下旬に発表した。60言語に対応しているのが特徴で、自社やライバルの商品やサービスがどう評価されているかを国ごとにつかめる。担当しているSDLジャパンのグローバルソリューション部セールスディレクター、小林和久氏に今後の方向などを聞いた。

(聞き手は大山 繁樹=ITpro


「ソーシャルインテリジェンス」とは何か。

写真1●SDLジャパンのグローバルソリューション部セールスディレクター、小林和久氏
写真1●SDLジャパンのグローバルソリューション部セールスディレクター、小林和久氏
[画像のクリックで拡大表示]

 世界中で毎日書き込まれているFacebookやTwitter、ブログ、YouTubeの口コミなどの内容から、顧客の生の声をつかんで分析・活用することといえる。当社のソリューションを使うと、例えば自社やライバルの商品やサービスについてソーシャルメディア上にポジティブな言葉がどれだけあるか、ネガティブな言葉はどうなのかが分かる。

 どんな言葉が書き込まれているかを分析すれば、自社やライバルの商品やサービスがどう思われているか、もっと良い商品やサービスを展開するにはどうすべきかなどを判断できるだろう。

 企業のマーケティングに活用することで、販売施策を考えたり海外市場に売り込んだりするときの判断材料に使える。市場への効率的なアプローチにつながるはずだ。

企業のブランド価値が口コミに左右される時代になっている。

 ソーシャルメディア上でネガティブな意見が多いと、すぐに拡散して実際のビジネスにも影響が出てくる。これを挽回するためには、新しいキャンペーンを展開したりや広告を打ち出したりせざるを得ない。新たな施策によって顧客の考えが変われば、ポジティブな口コミが増え、顧客獲得もスムーズに行くかもしれない。ソーシャルメディアの書き込みといっても、あなどれない存在になってきている。

 実際、ある海外の大手チェーンの場合、来店者数が落ち込んでいたとき、ソーシャルメディア上でネガティブな意見が多いことが分かったという。そこでキャンペーンのやり方を見直したところ、回復につながったというケースもある。

写真2●「innovate 2013」で新ソリューションを紹介するソーシャルインテリジェンス部門のJohn Song氏
写真2●「innovate 2013」で新ソリューションを紹介するソーシャルインテリジェンス部門のJohn Song氏
[画像のクリックで拡大表示]

 5月下旬に国内で実施した当社のイベント「innovate 2013」では約40社の企業が参加したが、このときソーシャルインテリジェンス部門のJohn Song最高経営責任者が来日して、国内で初めて今回のソリューションを紹介した(写真2)。

 ソーシャルインテリジェンスに関心を示す企業も非常に多く、イベントは盛況だった。それだけソーシャルメディアをどう活用すればいいかが、企業のマーケティングで最も重視されているといえるだろう。