英アルフレスコは、エンタープライズコンテンツ管理(ECM)プラットフォームをオープンソースで提供している。製品をオープンソースとすることで、さまざまな企業の製品とのインテグレーションが可能で、ユーザーに柔軟性を提供できるという。アルフレスコ グローバルPR 兼 ソーシャルメディア担当 シニアマネージャーのリンジー・マクニュー氏に、同社製品の特徴やロードマップを聞いた。

(聞き手は、藤本 京子=ITpro


アルフレスコ グローバルPR 兼 ソーシャルメディア担当 シニアマネージャー リンジー・マクニュー氏
アルフレスコ グローバルPR 兼 ソーシャルメディア担当 シニアマネージャー リンジー・マクニュー氏
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 アルフレスコは、ドキュメンタム(現EMC)の共同創業者であるジョン・ニュートン氏と、ビジネスオブジェクツ(現SAP)のCOO(最高執行責任者)を務めていたジョン・パウエル氏が2005年に設立した企業だ。世界180カ国で展開する同社の製品は、オンプレミス版とクラウド版が用意されており、オンプレミス版のユーザー数だけでも700万人を超える。ユーザー企業は2000社で、日本でも30社が利用中だという。

 アルフレスコの製品はオープンソースソフトウエアとして公開しており、数千人単位の開発者コミュニティが存在する。製品をオープンソースとした理由は、共同創業者でCTO(最高技術責任者)を務めるニュートン氏にあるという。

 「彼はドキュメンタム出身ということもあり、ECMに非常に大きなニーズと機会があると感じていた。同時に、製品には柔軟性も必要だと感じ、そのためには製品をオープンソースにするしかないと考えた」と、マクニュー氏は語る。ユーザーにとって柔軟性とコスト効率の高い製品を出そうという考えの下、アルフレスコを立ち上げたのだという。

 同社の提供する主な製品は3つ。オンプレミス、クラウド、モバイルといったさまざまなプラットフォーム上でファイル同期が可能となるECMのフラッグシップ製品「Alfresco One」と、クラウド版で10Gバイトまでのストレージであれば無料で利用できる「Alfresco in the cloud」、そしてビジネスプロセス集約型の環境に向けオンプレミスのみで提供される新製品「Alfresco Workdesk」だ。Workdeskは6月に米国で発表となる予定で、日本では今夏にも発表するという。

 マクニュー氏は、今後の製品ロードマップも一部明らかにした。まず同社の第2四半期となる2013年6月~8月には、ECMプラットフォーム「Alfresco Enterprise」の最新版「Alfresco Enterprise 4.2」が提供される予定だ。最新版では、Google Docsバージョン2に対応するという。また、クラウド版ではSalesforce.comとの統合が予定されているほか、承認ワークフローやディスカッション機能も追加されるという。

 9月から11月の第3四半期は、Alfresco Enterpriseにて管理インターフェースでのクラスタリングが可能になるという。また、アクティビティ管理や記録管理ができるようになるほか、ビデオサムネイルにも対応する。クラウド版ではセキュリティをさらに充実させ、イベント監査などにも対応する。モバイルアプリもデータ暗号化に対応する予定だ。