異分野の才能が一堂に会し、互いの発想を刺激し合う。「TED Conference(テッド カンファレンス)」というイベントをご存知だろうか。1984年に米西海岸で有識者のサロン的な集会として始まり、「Ideas worth spreading(広める価値のあるアイデア)」を披露し合う場として、年々その規模を広げてきた。

 元米大統領のビル・クリントン氏やマイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏、英ロックバンドU2のボノといった著名人が登壇したことで、「楽天家のためのダボス会議」とも呼ばれ、招待制のクローズドなイベントにもかかわらず、インターネットなどを通じて世界にその存在を知られている。

昨年開催された「TEDxTokyo2012」の様子

 不透明感を増す世界情勢の下、「異質のアイデアの共有がイノベーションを生む」というTEDのコンセプトは世界各地で反響を呼んでいる。2009年からは東京でも派生イベント「TEDxTokyo(テデックストウキョウ)カンファレンス」が開催されており、今年5月11日に5回目を迎えた。NHKが共同企画番組「スーパープレゼンテーション」を放映したこともあって、TEDの認知度は日本でも一気に高まっている。

 このTEDxTokyoの仕掛け人が、パトリック・ニュウエル氏とトッド・ポーター氏。「日本には広める価値のアイデアがまだまだ沢山埋もれている」と指摘する2人に、「TED」の魅力を聞いた。

(聞き手は 蛯谷 敏=日経ビジネス)