小学生以上を対象にしたプログラミングサークルが注目を集めつつある。この数年で複数の団体が設立されるなか、もはや老舗といえるのが、倉本 大資代表率いる任意団体「OtOMO(オトモ)」である。小学生や中学生にプログラミングを体験させる狙いを中心に、倉本代表とメンバーの一人である阿部 和広氏に話を聞いた。
オトモの活動内容を教えてください。
倉本氏 オトモの中心となっている活動は、月に1回の頻度で開催しているワークショップです。ワークショップでは、小学3年生から中学3年生ぐらいまでを対象にプログラミングを学ぶ場を提供しています。使えるスペースの都合などで参加人数の変動はあるものの、平均して十名前後の子供たちが参加しています。
毎回決まったメンバーなのでしょうか。
倉本氏 常連の人と初めての人に分け隔てなく、Webサイトやメールを通じて毎回応募していただいています。競争率が高く抽選で落ちてしまうこともあって申し訳ないのですが、初めて応募していただく方も結構います。
ワークショップの参加者ではないのですが、卒業生ともいえる子供たちがワークショップのある日に同じ会場に集って、ワークショップの隣の空いているスペースなどで自発的にプログラミングをしている場合も多いです。例えば、先日取材を受けた子供たちなどです(関連記事:作品数百本、プロコン優勝---世界に羽ばたく小学生プログラマ3人に聞く「楽しさ」「将来の夢」)。
ワークショップ以外には、Webサイトでプログラミング環境「Scratch(スクラッチ)」に関する情報提供をしています。Scratchは米MITメディアラボが開発した主に子供向けのビジュアルプログラミング環境です(関連記事)。オトモは一貫してScratchを使ったプログラミングの場を提供しています。Scratchに固執しているわけではありませんが、子供が扱いやすく、柔軟に変更でき、それがすぐに結果に反映されるという理由から、Scratchを使っています。
また、今年5月19日に開催されるイベント「Scratch Day 2013 in Tokyo」にも参加します。
ワークショップはどのような内容ですか。
阿部氏 ワークショップでは、メインの担当者を決めて、その人が設定したテーマで子供たちにプログラミングしてもらいます。最近(2013年4月)の例では、「レトロゲーム研究」と題し、30年ほど前の子供たちが遊んでいたゲームを実際にプレイし、面白いゲームとはなにか、ゲームの仕組みやルールはどのようになっていると良いのか、などを考えながら、Scratchでゲームやゲームに使える仕組みを作るという内容にしました。
倉本氏 ワークショップでは、こうしたプログラミングを3時間ほど行い、その後に任意参加の「寺子屋タイム」を設けています。合わせて半日弱ほどの内容で、会場費等の費用として若干のお金をいただいています。