ユビレジは2013年2月13日、iPadを使うPOSシステム「ユビレジ」をセールスフォース・ドットコムのPaaS「Force.com」と連携できるようにする「ユビレジ for Salesforce」を発表した(関連記事)。「ユビレジ」の売り上げデータなどをForce.com上の他のアプリから利用できるようになる。ユビレジは2012年7月にセールスフォースと資本・業務提携しており、その具体的な成果の一つが「ユビレジ for Salesforce」と言えそうだ。ユビレジ創業者の一人である代表取締役社長の木戸啓太氏に、開発の背景や今後の展望などについて聞いた。

(聞き手は、大谷 晃司=ITpro

「ユビレジ for Salesforce」を利用するメリットは。

ユビレジ 代表取締役社長の木戸啓太氏
ユビレジ 代表取締役社長の木戸啓太氏

 「ユビレジ」の売り上げデータや顧客データをセールスフォース・ドットコムの「Force.com」に連動させる機能を持つのが「ユビレジ for Salesforce」。(セールスフォースのマーケットプレイスである)AppExchangeに公開されている。

 以前から「ユビレジ」と他のシステムを連携させるためのAPIは提供していたが、その場合、スクラッチでつなぎこむ必要があり、コストもかかった。

 一方、AppExchangeには、在庫管理や勤怠管理など業務系のアプリが数多く公開されている。例えば勤怠管理であればチームスピリットさんと連携することも考えられる(関連記事)。それらと連動することで多くの機能を低コストで導入できる。それが最も大きなメリットとなる。

想定ユーザーは。

 「ユビレジ」は現在約4000店舗で使われている。もともと「ユビレジ」自体が小規模の店舗をターゲットにしていた。できるだけ機能をそぎ落としてシンプルにしているため、ユビレジ自体に複雑な管理や分析機能を付けることはしてこなかった。

 ただ、利用店舗が増えていくなかで、5店舗、10店舗と展開しているところからの引き合いも多くなり、管理側の機能拡張を求められるようになってきた。例えば、「勤怠と連動できれば人件費比率が分かるから、ざっくりとした営業利益率が出せる」といった声が結構あった。

 また、顧客管理機能は「ユビレジ」でも用意しているが、機能としてはシンプル。店舗によっては「ダイレクトメール(DM)を送りたい」「ポイントを付与したい」といった要望もあったが、全部には対応しきれていなかった。

 「ユビレジ for Salesforce」は、“プレミアムバージョン”ではないが、そうした要望に応えるための拡張機能として位置づけられる。