オープンソースのWebブラウザであるFirefox。米モジラでAndroid版Firefoxの開発を担当するマーク・フィンクル氏は、現在開発中で2012年4月末にも正式公開が見込まれる次期バージョンFirefox 11のAndroid版は、ユーザーの声に応えて大幅に作り直したと語る。
Android版Firefox 11の特徴は。

起動を速くし、メモリーの使用量を減らすため大幅に作り直します。Firefoxでは、様々なOSで動作するよう、XMLでユーザーインタフェースを記述するXULを使用していますが、Android版Firefox 11ではAndroidネイティブのUIライブラリを使用します。
モジラジャパンより、AndroidネイティブのUIライブラリ採用はFirefox 13に延期になったとの申し入れがありました。本インタビューは2012年1月23日に行われました。 [2012/02/23 11:15]
1つのブラウザウインドウがクラッシュしても全体が落ちることのないようマルチプロセスを採用していましたが、Android版11ではシングルプロセスにしてメモリーの使用量を減らします。ただしタブレット版に関しては時間的な制限から、引き続きXULベースになります。
Flashのサポートについての要望もたくさんいただきましたが、米アドビシステムズも米グーグルも十分なドキュメントを公開していません。そのため、我々はリバースエンジニアリングを行って、ブラウザの中でFlashがどう動作するのか調べています。Froyo(Android 2.2)、Gingerbread(Android 2.3)ではFlashをサポートできましたが、Honeycomb(Android 3.0)、Ice Cream Sandwitch(Android 4.0)ではAPIが変わってしまい、リバースエンジニアリングを続けているところです。
モバイル向けブラウザの多くがエンジンとしてWebkitを使用しています。Firefoxが採用しているGeckoの強みは。
ブラウザエンジンにも競争が必要です。複数の実装があることで、イノベーションが促進され、オープンスタンダードがより透明になります。
モジラはFirefoxの特徴として開発がオープンであることを強調しています。何人くらいが開発に参加しているのですか。
モバイル版を専門にしている開発メンバーは20人くらいですが、毎晩ビルドされている開発版のテストには約2000人が参加してくれています。Androidは多くの機種があるのでテストは重要です。日本の機種でテストしてくれる方にも、ぜひたくさん参加していただきたいと思います。