米Evernote主催の開発コンテスト「Evernote Trunk Conference(ETC)」でグランプリを獲得したカナダTouchnote社の「Touchanote」は、NFC(Near Field Communication)対応のタグにタッチすることで、関連付けられたEvernote上の情報を呼び出すAndroidアプリだ(関連記事)。日本のアプリコンテストMashup Award 7(MA7)でもMashup Innovation on Android賞を受賞した。Touchanote創業者のHamid Zaidi氏に、発想やプレゼンのコツ、NFCのこれからについて聞いた。

(聞き手は高橋信頼=ITpro


Touchanoteの用途は。

Hamid Zaidi氏
Hamid Zaidi氏

 Touchanoteは、モノと、情報を記録するオンラインサービスであるEvernote上のノートを結びつけるアプリです。オンラインの様々な場所やモノにNFCタグを貼り、それにNFC対応スマートフォンでタッチするだけで、ノートが呼び出されます。

 例えば、テレビ番組の録画予約の手順ってややこしいですよね。リモコンにNFCタグを貼り、録画予約の手順を書いたノートが呼び出されるようにすれば、私のガールフレンドでも一人で予約できるわけです(笑)。旅行カバンに荷物リストのノートを結びつけておけば、忘れ物をしなくてもすみます。

 ある日本の学生は、授業ノートにNFCタグを貼り、とったノートの内容をEvernoteに記録していました。他にも車にタッチすると整備マニュアルが呼び出されるようにしたり、薬箱にタッチすると服用法が表示されるようにするなど、様々な使い方が考えられます。

写真●Touchanote
写真●Touchanote
NFC対応スマートフォンでNFCタグにタッチすると、紐付けたEvernoteの情報が呼び出される

いくつもの賞を受賞されてますが、プレゼンや発想のコツは。

 技術ではなく、サービスに注目することです。人を中心に、どう人を助けることができるかを考える。人々が困っていることをどう解決できるかを訴える。それを最も大切にしています。

日本の開発者をどう感じましたか。

 知識が豊富で、好奇心が旺盛、そして熱意があります。米国よりも知識と好奇心のレベルは高いように思います。Mashup Award 7の表彰式で日本の開発者と話しましたが、とても楽しい時間でした。

NFCの将来をどう見ていますか。

 NFCタグ対応スマートフォンはまだ市場に出回り始めたばかりです。近い将来、ほとんどのスマートフォンがNFC対応になり、NFCはあらゆるモノに存在するようになるでしょう。すべてのモノが情報を持ち、ストーリーや記憶を持つようになる。それが我々のビジョンです。