かつてはeラーニングベンダー大手として知られていた米サバ・ソフトウェア。現在は広く人財(タレント)マネジメントを支援する基盤を提供する会社として活動を広げている。この春には、ソーシャルメディアを活用した新たなサービスを提供する予定だ。同社の創立者で会長兼CEO(最高経営責任者)を務めるボビー・ヤズダニ氏に事業戦略を聞いた。

(聞き手は、田中 淳=日経コンピュータ

サバと言えば、eラーニングベンダーというイメージが強いが。

米サバ・ソフトウェア 会長兼CEO ボビー・ヤズダニ氏
米サバ・ソフトウェア 会長兼CEO ボビー・ヤズダニ氏

 確かに、10年前はラーニングマネジメントを志向していた。だが、この10年でいろいろな経験を積み、考え方が変わった。10年前は小さな会社だったが、現在はグローバルに1500社の顧客を持つ。社員も1000人近くになり、国際的に事業展開している。

 10年前との最大の違いは、現在、当社が志向しているのは「タレントマネジメント」であるという点だ。スマートな企業はどこも明確な人財活用の戦略を持っている。しかも戦略を作ればよいわけではない。その戦略を透明性があるものにして、グローバルに、かつ継続的に展開しなければならない。

 我々が狙っているのは、人財戦略にのっとって企業が実施するタレントマネジメントの実現に向け、人にかかわるすべてのプロセスを支援することだ。ラーニングマネジメントはその一環として考えている。

タレントマネジメントをトータルに支援する基盤を提供しているということか。

 そうだ。タレントマネジメントを支援するために、ラーニングマネジメントをはじめ、ゴール・アンド・オブジェクティブ・マネジメント(目標・目的管理)やパフォーマンスマネジメント(業績管理)など複数の機能を持つプラットフォームを提供している。

 機能はたくさんあるが、これらはすべて連携している。コアにあるのは人財プロファイルだ。プロファイルには自社の従業員にとどまらず、サプライチェーンにかかわる人たち、すなわちディーラーや顧客、サプライヤーなどの社員の情報が含まれる。

 これらのプロファイルや機能を使って、複数の地域をまたがる大企業の人に関わる活動を一つのプラットフォームで支援する。プラットフォームは、これからさらに進化する。