リコーが提供している、iPad向け会議資料閲覧ツールの「TAMAGO Presenter」。アップルのアプリ配信サービス「App Store」のビジネス分野で、長く10位前後をキープしている(2012年1月現在、ビジネス分野の無料iPadアプリは約5500本)。無料であることや、サーバーレスで導入できる点などが根強い人気の理由である。2011年12月現在で、累計ダウンロード件数は約3万件という。
 TAMAGO Presenterの開発チームが重視したのは、「顧客と一緒に作る」ということ。開発チームの中核メンバーであるリコーの岸宣之氏(写真1)に、TAMAGO Presenterのコンセプトや開発時に重視したポイントについて聞いた。

(聞き手は高下 義弘=ITpro


TAMAGO Presenterの特徴は。

写真1●岸 宣之氏
写真1●岸 宣之氏
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 TAMAGO Presenterは会議で使うプレゼン資料を、複数台のiPadで共有できるアプリです。アップルのApp Storeから無料でダウンロードできます。iPadで手軽にペーパーレス会議を実現できるよう、プレゼン資料に手書きでメモできるなど、さまざまな機能を備えています。2011年春にV1.0.0をリリース、2011年12月に最新バージョンの「V1.2.0」を公開しました。

 最新版では、会議中に別のプレゼン資料を追加する機能、発表者以外の操作をロックする機能、見たいページをサムネイルから選べる機能を追加しました(写真2)。ユーザーからの声を聞きながら、特に要望が多いものを優先して実装しています。

ユーザーの声はどのように吸い上げたのですか。

写真2●TAMAGO Presenterのサムネール表示画面
写真2●TAMAGO Presenterのサムネール表示画面
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 実際に企業で使っているユーザーを訪問して直接お話を聞かせていただいたほか、Twitterなどのソーシャルメディアや、ブログに書かれている感想も大いに参考にしました。

 TAMAGO Presenterは、「サーバーレスでエンドユーザーが気軽に試せる」ということで、私たちチームの想定以上に、ソーシャルメディアやブログに感想が載せられたことが印象的でした。コンシューマに近い立場で書いていただいたコメントは、非常に参考になっています。