iPhoneとAndroidの両方で動作する、マルチプラットフォームのスマートフォンアプリを開発できるツールが注目を集めている。米AppceleratorのTitanium Mobile(関連記事)は、そういったツールの代表的なもののひとつであり、オープンソースソフトウエア(OSS)として提供されている。Appcelerator CEOのJeff Haynie氏と同社のPlatform Evangelist 増井雄一郎氏に、Titanium Mobileの現状や日本への見方を聞いた。
Titanium Mobileの普及状況は。
Haynie氏:22万以上のモバイルアプリ開発者がいて、3万以上のモバイルアプリが開発されています。
普及した理由は、Web開発者が、Webのスキルでアプリを作ることができるためだと考えています。Titanium MobileではJavaScriptでiPhoneやAndroid向けのネイティブアプリを作成できます。
オープンソースであることも大きな理由だと思います。オープンソースのプロダクトでは、すべての変更はすぐに共有でき、ユーザーはロックインされることを防ぐことができます。Titaniumをオープンソースにしたのは、我々がJBossにいたというバックグラウンドが大きく影響しています。
オープンソースソフトウエアをプロダクトとして利益を出すのは難しいという人もいますが、今は人を雇い、Appceleratorを成長性させる段階です。2012年には収益を上げることができると考えています。
どのように起業したのですか。
Haynie氏:Appceleratorは、私が作った3つめの会社になります。Titaniumの前は、Ajaxフレームワークを作っていました。そこへ、iPhoneが登場しました。私はiPhoneの開発フレームワークが必要になると考え、2007年にAppceleratorを立ち上げました。最初は15人の小さなチームでした。我々は、働いて、働いてTitaniumを作り、コミュニティを育てました。現在では社員は約110人になっています。また、2社を買収しました。
Titaniumで開発された成功アプリは。
Haynie氏:大手企業のアプリも、ベンチャーのアプリもたくさんあります。ベンチャーでは、外国語学習アプリTripLingoは、600万のユーザーがいます。Hotel Tonightも米国で非常に人気のあるアプリです。wunderlistはドイツの会社が作ったタスク管理ツールです。
増井氏:日本ではサイバードがAKB48のゲームを作っています。またソーシャルゲームを作っている会社もあります。
日本のコミュニティや市場をどう見ていますか。
Haynie氏:日本のコミュニティはエキサイティングで、アクティブです。日本で多くの人と会いました。日本は極めて重要な市場です。AppceleratorのWebサイトへのトラフィックの20%は日本からです。
増井氏:Titanium meetupと呼ぶイベントを、日本でも何度も開催しています。2011年10月に開催したイベントTitanium meetup Tokyoでは、百数十人が集まってくれました。