米CA Technologiesはこのところ企業買収を積極的に仕掛けている。2011年11月に開催した「CA World 2011」では、「ビジネスサービス管理への移行」を掲げ、企業ITシステムの変革を訴えた。12月に来日した副社長に、買収の狙いや新メッセージ導入の背景などを聞いた。

(聞き手は菊池 隆裕=ITpro

2011年11月に開催したプライベートイベント「CA World」では、ITの新常識として「ビジネスサービス管理への移行」を打ち出しました(関連記事)。過去のイベントとの違いを教えてください。

タイトル
米CA Technologies Executive Vice President Jacob Lamm氏

 こうしたメッセージを打ち出したのは今回が初めてのことです。その背景にはクラウドの台頭があり、クラウドには2面あると説明しています。

 最初の1面はマネジメントです。CAはこれまで30年間、企業向けのマネジメントソリューションを提供してきました。新しいトレンドとして物理から仮想へ、プライベートからパブリックへという流れがありますが、今後もマネジメントソリューションを提供していくことに変わりありません。

 もう1面は、クラウドによる新しい機会の創出です。それが、今回打ち出した「ビジネスサービスイノベーション」です。クラウドを使うことで、短時間でサービスが構築できるようになるので、新しいものをより早く構築できるようになることでしょう。

 クラウドは、これまでコモデティー(日用品)だったものをバリュー(価値)あるものに変え、バリューだったものをコモデティーにします。

 ITの世界で、これまでバリューだったものにアプリケーションがありました。CRM(顧客関係管理)ソフトウエアを多用し、その後にマネジメントがあるという形で、マネジメントはコモディティーでした。そこにクラウドが入り、これまで価値だったアプリがコモディティー化します。サービスとしてオンラインで提供されることで、コモデティーとなるのです。

 それでは、ITベンダーとして違いをどう出すかと言えば、コンポーネントを組み合わせて価値にするのです。それが、我々が言うビジネスサービスイノベーションです。まずモデル化があり、続いてアセンブル、自動化、保証、セキュアを順に実行していきます。今回のイベントではそのロードマップを発表しました。