ソーシャルネットワークサービスのミクシィがキャンペーン「mixi Xmas 2011」。このmixi Xmasは250万人という多数のユーザーが、11月30日から12月25日の約1カ月という期間限定で利用するクラウド向きのプロジェクトである。今年は、プラットフォームを昨年までのGoogle App EngineからWindows Azureに切り替えるなど大きな変更を実施した。その舞台裏を、運営主体であるバスキュール号の取締役/プロデューサーである田中謙一郎氏、開発運用を担当したFIXERの代表取締役社長である松岡清一氏、技術支援をした日本マイクロソフトのデベロッパー&プラットフォーム統括本部 パートナー&クラウド推進本部 エバンジェリストである砂金信一郎氏に聞いた。
3社の役割分担は。
田中氏:mixi Xmasを実施するのは今年で3回目になる。去年までの2年間はミクシィとバスキュールという2社の協同プロジェクトとしてやった。今年は、この2社の共同出資となる「バスキュール号」という会社を作り、このバスキュール号が今年のプロジェクトの事業主体となって運営をしている。
このキャンペーンに、ゴールドスポンサーとしてスクウェア・エニックス、日本コカ・コーラ、日本マイクロソフトの3社が参加した。そうした兼ね合いもあって、これまでのGoogle App Engineではなく、Windows Azureを新たに採用することにした。新たにAzureを使った開発運用をするための受託先として、日本マイクロソフトにFIXERを紹介してもらって発注している。
松岡氏:当初はシステム開発を委託されたが、結果としてはAzureのインスタンス作成などシステムの運用についても任されることになった。
昨年と今年のmixi Xmasの企画で大きく変わったところは。
田中氏:まずアクセスするデバイスを追加した。去年までのパソコンと携帯電話に加え、今年から新たにスマートフォンに対応した。一昨年はパソコンだけだったが、去年に携帯電話を追加し、今年はさらにスマートフォンを加えた形だ。
それから、去年も実験的にやっていたソーシャルギフトについて、今年から本格的に対応した。mixiの仕組みを使って決済できるようになっており、贈った友人にはコンビニなどでの引換券が送られる。
さらに、新たにテレビCMにもチャレンジした。ただ単にCMを流すだけでは面白くないので、CM連動型でコンテンツを見せるように工夫した。具体的には、CMを見た人がサイトに来るとクイズに答えることができ、プレゼントが当たるという企画だ。
今回のキャンペーンはゲームではなく、あくまでコミュニケーションツールである。期間限定で、mixi上の友人と「ベルを鳴らす」という挨拶をするという世界観をクリスマスに合わせて提供する。レベルを上げるといったゲーム性はあるものの、アイテムを取り合うような過度なゲーム性は盛り込んでいない。
スマートフォンには具体的にどのように対応したのか。
田中氏:アプリを作るのではなく、基本的にブラウザベースでの対応になる。スタイルシートとJavaScriptを使ってスマートフォン用の画面を作成した。ブラウザから送られてくるリクエストを見て、スマートフォンからと判断したらスマートフォン用の画面を送るようにしている。