拡大するソーシャルネットワークを、企業のマーケティングで活用しようという動きが広まっている。日本マイクロソフトでは、「ソーシャル メディア リード」という役割を社内に設置。いち早くソーシャルネットワークの積極的な活用を図ってきた。同社でソーシャル メディア リードを担当する上代 晃久氏と、責任者である浜野 努氏に戦略を聞いた。

(聞き手は根本 浩之=ITpro



日本マイクロソフト セントラル マーケティング本部 上代 晃久氏(左)、浜野 努氏(右)
日本マイクロソフト セントラル マーケティング本部 上代 晃久氏(左)、浜野 努氏(右)

「ソーシャル メディア リード」というのは、どのような仕事をするのでしょう?

浜野:ソーシャル メディア リードの役割は大きく二つある。一つは、製品担当などの人がプロモ-シャンを展開するときに、ソーシャルネットワークをどう使っていけばいいのかといったことをアドバイスしたり支援したりするというものだ。Webサイトなどのマーケティング戦略を支援する中での一つとなる。

 もう一つ、全社としてのソーシャルネットワーク戦略も担当する。例えば、どういったアカウントを使うのか、どういった役割にするのか、何がよくて何がダメなのかといったガイドライン作り、といった仕事を担当する。

 ソーシャルネットワークを積極的に活用する、というマイクロソフト全体としての指針がある。その指針にしたがって、専任の人間を置いて積極的に活動していくことを狙っている。日本マイクロソフトを「ソーシャルネットワークを最もマーケティングで活用している会社」にするということが今年の目標だ。

上代:私も「日本のIT業界で最もソーシャルネットワークをマーケティングに活用している企業にする」と宣言している。

マイクロソフトにおけるソーシャルネットワーク戦略を聞かせてください。

上代:ソーシャルネットワークの役割はいくつかある。プロダクトコミュニケーション、カスタマーサポート、キャンペーンなどの宣伝、企業ブランディング--の四つだ。これらについて、前からブログやCMなどで展開してきたが、ソーシャルネットワークの重要度が増してきたことに合わせて、うまく活用していこうと考えている。

 私はソーシャルネットワークの専任だが、ソーシャルネットワークだけでどうにかしようとはまったく思っていない。オンライン人口の40%がFacebookを使っているアメリカと同じ手法を日本で使うことはできず、ソーシャルネットワークだけに頼るところまではまだまだ達していないと思っている。

 具体的には、既存のマーケティング手法にソーシャルネットワークを組み合わせることで、いかにパワーアップするかを考えている。そのためには、効果検証と「なかの人」をいかに育てていくのかが重要になる。

そのために、具体的にどのようなことをするのでしょう?

上代:まず代表格となる“ヒーローアカウント”を作ることと、全社としてのガイドラインを整備して地固めをすることを目標にしている。