ケイ・オプティコムは、同社のFTTHサービス「eo光」のオプションとして、Android端末を使ってホームICTや生活情報、EC(電子商取引)などを利用できる「eoスマートリンク」を試験提供する()。大阪府北摂エリアの約500世帯を対象として2011年6月30日~11月末まで実証実験を行い、2011年度内にも本サービスとして提供する予定である。この実証実験の狙いやサービス提供に至った背景について、同社サービスマネジメントグループの福永尊光部長に聞いた。

(聞き手は西畑 浩憲=日経ニューメディア


このタイミングでeoスマートリンクを提供する狙いはどこにあるのか。

ケイ・オプティコム サービスマネジメントグループ 部長 福永 尊光 氏
ケイ・オプティコム サービスマネジメントグループ 部長 福永 尊光 氏
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 当社はこれまでFTTHサービスや多チャンネル、電話、モバイルデータ通信といったサービスを提供してきた。質の高いサービスを他社よりも安く提供することで市場に受け入れられ、加入者数は約120万人に達している。しかし、現在のサービスの方向性のままでこれまでのように利用者数を増やし続けることには限界が近付いている。「家庭の情報化」という切り口で、新しい利用者層を開拓したいと考えた。太陽光発電やエコカーなどが普及期を迎える機運もあり、家庭からエコロジーを考えるというトレンドもホームICTの追い風になるだろう。

 これまでインターネットを利用するのはパソコンで、映像を見るのはテレビで、通話は電話機で---という具合に、サービスごとに端末を使い分けてきた。しかしスマートフォンやタブレット型端末の普及に伴いこうした使い分けがなくなり、様々な端末からあらゆるサービスにアクセスするのが当たり前になりつつある。また今後、タブレット型端末があればパソコンはいらないという利用スタイルも登場してくるだろう。そうした利用スタイルのユーザーが増えてくることも意識しながら、タブレット型端末を利用したサービスの提案に取り組みたい。

 インターネット、多チャンネル、電話のトリプルプレイサービスにタブレット型端末を組み合わせたサービスとしては、NTT 東日本が2010 年11月にAndroid OSを搭載した「光iフレーム」を提供している。また、NTT西日本でも今後同様のサービスを提供する方針を明らかにしている。

 eoスマートリンクの実証実験では、タブレット型端末としてNEC製の「LifeTouch」と韓サムスン電子製の「SMT-i9100」の2 機種を使用する。いずれも7インチ型のタッチディスプレイとAndroid OS 2.2を搭載したタブレット型端末である。
表●「eoスマートリンク」の試験サービスで提供予定の主要サービス
表●「eoスマートリンク」の試験サービスで提供予定の主要サービス
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