ニッポン放送は、「アプリは、人を幸せにする」をテーマにしたプロジェクトapp10(アップテン)を始めた。4月1日にWebサイト「app10.jp」(画面)を開設したのに続き、4月15日にはラジオ番組「オールナイトニッポンGOLD app10.jp」を始める。同プロジェクトの中心メンバーである同社の吉田尚記アナウンサー(写真)にプロジェクト立案の背景や今後の活動内容を聞いた。

(聞き手は、菊池 隆裕=ITpro

app10を始めるに至った背景を教えてください。

写真●ニッポン放送 アナウンサー 吉田 尚記 氏
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 2010年11月に当社の会長が、職種が異なる社員10人を集めたのが本プロジェクトの始まりです。お題は「ポータルを作れ」でした。たくさんの人を呼び込んで、何か新しいことを始めろというのです。

 そもそも「ポータル」とは何だろうと改めて考えました。そこで思いついたのが「腕時計」です。腕時計は、理由もなくよく見る、見るたびに違う情報が得られる存在です。

 ただ、最近は腕時計をする人が減りました。腕時計の代わりに使っているのが、携帯電話。携帯電話の中でも、今新しいことをやるならスマートフォンだろうということで、「次のポータルはスマートフォン」という方向性が固まりました。

app10というポータルを通じて、何を目指していくのでしょうか。

画面●「app10.jp」のサイト
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 世の中には「アプリ長者」がいると聞いています。たくさんのアプリを売り上げて、多くの収入を得たアプリ開発者です。これを聞いて、身近なところで音楽がダブりました。今のスマートフォン界隈をみると、スターが出てきそうな空気があります。

 音楽の世界では、時代に合致したスターがいます。私は、1年間に200人くらいにインタビューする機会がありますが、そのほとんどが曲書くのが好き、歌大好きな人です。ごく普通の人で、儲けようとしているわけではありません。まず、いいもの、面白いものができて、そこにメディアが手を貸して売れるようになります。例えば、ランキング番組で、先週10位だった曲が1位になったことで広く認められるのです。

 同じように、メディアがアプリのクリエイターに手を貸すと、次の時代のスターが出てくるシステムができるのではと思い、企画としてまとめ上げました。それがapp10の原点です。