Red Hatは同社のJavaアプリケーションサーバーJBossなどを利用できるPaaS(Platform as a Service)「Red Hat PaaS」のベータ版を現在提供している。Red Hat PaaSの特徴について同社のミドルウエア部門 シニアディレクターでPaaSを担当するAshesh Badani氏に聞いた。
Red Hat PaaSの特徴は。
ベンダーロックインしないことだ。Red Hatはオープンソースソフトウエア企業のリーダー。移植性を確保することがRed HatのPaaS戦略である。クラウド間でアプリケーションのポータビリティを確保するための標準APIを制定するDeltacloudプロジェクトをApache Foundationとともに進めている。
また2010年11月30日、クラウド配信・管理・監視ツール「Makara」を提供する米Makaraを買収した(関連記事)。Red Hat PaaSの管理ツールとしてMakaraを提供する。Makaraを使えば、スケーラビリティ管理は自動化され、ユーザーは気にかける必要はなくなる。現在はJBossとPHPをサポートしている。
Red Hat PaaSはRed Hat単独で提供するのではなく、パブリックIaaS(Infrastructure as a Service)プロバイダと提携して提供する。現在、Amazon EC2とRackSpaceのIaaSサービス上でRed Hat PaaSのベータを利用できる。
Red Hat PaaSの正式な提供時期は、2011年5月に開催する「Red Hat Summit and JBoss World 2011」で発表する。
Red Hatのプロダクトは全てオープンソースだと理解している。Makaraも公開するのか。
これまでにも、買収したクローズドソースのソフトウエアをオープンソース化したケースがある。いずれMakaraもオープンソースになるだろう。