mixiでも公式企業ページ解禁へ、Facebookに対抗

 インターネット上での交流サイト(SNS)大手、ミクシィ社長の笠原健治氏は、運営サイト「mixi」上に企業の公式ページの開設を解禁していく考えを、このインタビューで初めて明らかにした。背景には、SNS世界最大手の「Facebook」が日本で本格稼働を始めたことがあるようだ。いつもながらの淡々とした口調ながら、静かな闘志を語った。

インターネット上での交流サイト(SNS)への関心が、以前にも増して高まっています。

 インターネットではこれまで「何が」というモノに対する情報が重要でしたが、ソーシャルネットでは「誰が」という情報に価値があります。その点への認知が広まっているのでしょう。我々が、(人と人との関係を表す)ソーシャルグラフの活用をより重視することを9月10日に発表したのはそのためです。ミクシィは、ソーシャルグラフ・プロバイダーになっていくということです。

その発表会では、ミクシィが持つインフラをオープン化していくことと、海外展開戦略がポイントでした。

 ソーシャルネットという空間は急速に大きくなっており、一から十まで自社だけでやっていくのは、もはやリソース的にもスピード的にも現実的ではなくなってきたのです。できる限りオープンにして、誰しもが使えるサービスに当社のサービス「mixi」を変化させていく。

1億5000万人の会員を有する中国のSNS「Renren」と、2500万人の韓国SNS「Cyworld」との提携を発表されました。欧米における提携先は決まりましたか。

 まだ決まっていません。欧米については、どうも(SNSで世界最大手の)「Facebook」が独占していると思われがちですが、細かく見るとそうとも言い切れない。ドイツやオランダなど、英語より母国語が強い国ではとりわけその傾向が強いようです。実体以上に、メディアが大きく取り上げすぎなんじゃないですか。だから、ミクシィが進出していく余地は十分あるのです。

Facebookについてはあとでお聞きしようと考えていたのですが、やはりその存在は気になりますか。

 まあ、我々とは戦略が異なりますからね。Facebookはすべて自社で世界展開をしていく考えだと思いますが、我々は各国のナンバーワンSNSと組んでいく。

時にFacebookのやり方は、ドミナント(支配的)思考に基づくものとも言われます。ミクシィが、Facebookと提携することはあり得ませんか。

 彼らはあくまで自分たちでやっていくという考えだと推測します。もしもですよ、あるとしたらそれは買収という形でしょうね。

買収提案を受けたことがある?

 (Facebook創業者の)マーク・ザッカーバーグ氏とは面識もありませんから。ただ、(Facebookの)幹部と話をした折に、(買収意向の)ニュアンスがあったような気はします。

最近ですか。

 2年前のことです。