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出典:日経コンピュータ 2010年5月26日号
pp.40-41
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
クラウドコンピューティングへの取り組みという観点では、いかがでしょうか。日立はクラウドの実現に必要なものを全部持っているのに、うまく連携できていないように見えることがあります。 リーダーの力がまだまだ足らないのでしょう。工場が人材育成の場だったから、そういう意味でのリーダーを育ててこなかったのだと思います。工場では、発想が物に結び付いているので、ほかとの連携という発想がなかなか出てきません。ですから、リーダーがお客様の視点に立てるようになるためのトレーニングの場を、どんどん作っていく必要があります。 もちろん、外部から新しい血を入れることも必要でしょう。特に海外では、社内の人間だけではどうやっていいか分からないというようなことが、実際に起こってしまいますから。企業買収の意味も、結局そういうことなのです。 日立をはじめ国産メーカーが海外に目を向けるなかで、国内のIT産業の将来が心配です。国内市場をどのようにお考えですか。 こう言うと、どうとられるか分からないのですが、正直言って、我々はちょっと手を抜いていたような気がしています。 例えば製造業はかつて、非常に良いお客様だったのですが、ERPなどの普及が進んだところで、投資が一休みした。我々も待ちの姿勢だから提案していない。でも、「環境」などの新しいキーワードで提案すれば、もっとやれるはずなのです。私自身も最近、お客様と話す機会などに、そのことを痛感しています。 構造改革を進めている企業からは、それでも引き合いがあるでしょう。しかし、それができていない企業はたくさんあります。そうとらえると、国内でもイノベーションを提案し、ビジネスにする余地は大きいと思いますね。 「組織ありき」はもうやめる今年10月、日立ソフトウェアエンジニアリングと日立システムアンドサービスが合併しますよね。日立情報システムズも含めて、完全子会社化したIT企業をどのように活用していくのですか。
写真:陶山 勉
長年、組織ありきで役割分担について議論してきましたが、もうやめます。お客様を持っているところがイニシアチブを取って、組織の枠を越えて動けるようにするために、まず完全子会社にしました。そうすると、日立ソフトと日立システムを別々の会社にしておく意味合いは薄いという結論になりました。 日立情報の場合は、少し違ってアウトソーシング事業を結構やっていますので、本体の事業も含め、どう再編していくかが今後の課題です。もちろん、お客様の視点が第一であり、はじめに組織ありきではありません。ただ、そうしたことが容易にやれる条件が整いましたので、ゴリゴリやっていきますよ。 本体も含めた情報通信事業の大同合併はあり得ませんか。 それだと、全部の売り上げが2兆円を超えますから、そんな簡単な話ではありません。強引にやってもうまくいきませんし、意味もありません。むしろ、方向性をしっかり共有することが先決で、個々の案件やお客様への対応力をグループ全体でどうやって上げていくかということのほうが重要です。
日立製作所 代表執行役 執行役社
中西 宏明(なかにし・ひろあき)氏 1970年3月、東京大学工学部卒業。同年4月に日立製作所に入社。79年7月、米スタンフォード大学院コンピュータエンジニアリング学修士課程修了。2000年8月、情報・通信グループ統括本部副本部長。03年4月に国際事業部門長兼欧州総代表となり同年6月に執行役常務。05年6月、執行役専務/北米総代表兼日立グローバルストレージテクノロジーズ取締役会長兼CEO。09年4月に代表執行役 執行役副社長に就任、電力事業や電機事業などを担当。今年4月から現職。1946年3月生まれの64歳。
(聞き手は、木村 岳史=日経コンピュータ) 連載新着記事一覧へ >>
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