2010年4月、ホームページ作成サービス「Jimdo」を提供するドイツJimdoの創業者であるMatthias Henze氏、インタフェース、システム開発担当のFridtjof Detzner氏、プログラミング、システム開発担当のChristian Springub氏が来日。4月12日の来日イベントにおいて、ECサイト向けの機能を強化した新メニュー「JimdoBusiness」を国内展開すると発表した。ビジネス向けサービスの国内戦略、展望について、3氏に話を聞いた。Jimdoのサービスは、KDDIウェブコミュニケーションズが国内代理店となり、2009年3月から日本語版を提供している。

(聞き手は羽野 三千世=ITpro



Jimdoの魅力を教えてほしい。

ドイツJimdoの創業者、Matthias Henze氏(写真左)、Fridtjof Detzner氏(写真中央)、Christian Springub氏(写真右)
ドイツJimdoの創業者、Matthias Henze氏(写真左)、Fridtjof Detzner氏(写真中央)、Christian Springub氏(写真右)

 Jimdoは、“直感的な操作で誰でも簡単にホームページを作成できる”という設計思想で開発された。一番の特徴は、見たままのイメージでホームページを作成できるインタフェースだ。HTMLの知識がない初心者でも、完成イメージを見ながら、Webサイトをデザインできる。

 このインタフェースのアイデアは、他社ホームページ作成ソフトとの比較から生まれたわけではない。我々は、ホームページを最も簡単な工程で作成するにはどうしたらよいか、そのステップを追求し、そして、その簡易工程の究極形としてできあがったのがJimdoのインタフェースである。

Jimdoのターゲットユーザーは?

 現在、無償版と有償版を合わせて、世界に約200万人のユーザーがいる。最も多くのは個人的なホームページを作っている個人ユーザーだ。そのほか、SMB(中小規模企業)や個人事業主、アーティスト、NPO団体などで広く利用されている。

 我々のメイン・ターゲット・ユーザーは、ITスキルの高くない個人、およびSMBだ。特に、ショッピングカート機能を実装してからは、ECサイト構築などビジネス用途の利用も増加してきている。

 今回、ビジネス向けの機能を拡張したメニューを発表した。今後は、よりビジネスユーザーの獲得に注力したい。同時に、個人ユーザーへのサービス拡張も行っていく。個人ユーザーを増やすことは、ビジネスユーザーの拡大の大事な起爆剤だからだ。

日本では、Jimdoの知名度はまだそれほど高くない。日本市場に参入した経緯と、今後の戦略を教えてほしい。

 KDDIウェブコミュニケーションズとパートナー提携し、日本市場に参入したのは2009年3月。それから約1年が経過したが、ユーザーは順調に増加している。KDDIウェブコミュニケーションズは、日本屈指のブランド力、マーケティングチャネルを持っている。我々にとって非常に心強いパートナーだ。

 日本市場に参入するにあたり、我々にはいくつか選択肢があった。ドイツ本社に日本語ができるスタッフを配置するか、日本に現地法人を置くか、様々な可能性を検討した。最終的にKDDIウェブコミュニケーションズとパートナー契約を結ぶことが最善策だと判断した。日本市場は、独特の携帯電話文化を持っており、参入にあたってはローカルの事情に精通したパートナーが必要だと考えたためだ。

 今後は、日本の携帯電話向けの機能を拡張していきたい。日本とドイツでは、携帯電話の使い方が違う。日本では、スマートフォンなどのインターネット端末からだけでなく、普通の携帯電話からもWebへ頻繁にアクセスする。スマートフォンが普及してきているが、日本市場ではまだまだモバイルサイトの需要は高いと考える。