日本でTwitter推進、年内1000万ユーザーを目指す

 デジタルガレージは、米ツイッターに出資して、日本におけるミニブログサービス「Twitter」の事業主体となって普及を推進。グループ企業を通じて関連事業の展開も急いでいる。Twitterのサイト訪問者数が400万人を超えて増え続ける中、日本の企業のマーケッターにどのようなインパクトを与えるのか。Twitterの日本展開戦略とともに、今後の見通しを聞いた。

Twitterの日本の利用者の現状は。

 米国の方針でユニークユーザー数はオープンにしていないが、外部の調査データではネットレイティングスが2009年に257万人と発表している。今、毎週5~10%増の勢いで成長しているところだ(ネットレイティングスが発表した2010年1月の訪問者数は473万2000人)。

 ページビューの面での目安となるのは、(Twitterのパソコン向け公式サイトにおける)バナー広告の配信規模で、1月は日本で2億6000万インプレッション。もう3億は超えているだろう。ただ、Twitterを利用する人は、「iPhoneアプリ」やケータイなどからもアクセスしている。パソコンでアクセスしている人だけで、それぐらいの規模になっているということだ。

 パソコン、モバイルの比較では、現時点でパソコン向け公式サイト(twitter.com)のアクセスが一番多く、公式ケータイサイトが2番目。ただ、今年中にモバイルの方が多くなることは、十分に考えられると思う。

 (2009年10月の)公式ケータイサイトのオープン後、テレビやリアルとの連動の話がたくさん出てきた。まず、テレビを見ながらTwitterを利用するといったものが増えてきている。またリアルの企業では、例えば店舗や量販店がタイムセールについてつぶやく。すると、パソコンより(常に持っている)ケータイの方が親和性は高くなるので、ケータイの重要度が増してくる。Twitterは、ユーザーとのコミュニケーションの時間差や距離感が劇的に縮まるメディアでもある。身近な企業が利用を始めることで、ユーザーとしても使う意義が出てくる段階になっている。

デジタルガレージグループにおけるTwitter関連事業での役割分担、目指していることは。

 グループとしては2つの顔がある。1つはTwitterを日本で展開する事業主体。もう1つはTwitterをプラットフォームとして、いろいろなサービスを生み出すサードパーティの1社としての立場だ。

 まず、(社内組織の)Twitterカンパニーは、プラットフォームとしてのTwitterの健全な成長をミッションとしている。ユーザーを増やし、もっと使ってもらうことを考える。(子会社の)CGMマーケティングはメディアレップ的な立ち位置で、企業向けにバナー広告や運用ツールを提供している。サードパーティ的な立場では、(子会社の)DGモバイルがTwitterに動画や写真を投稿できる「twitvideo」のサービスなどを提供している。

 Twitterの使われ方は様々で、我々はプラットフォーマーでありたいと考えている。使い方はそれぞれの人に考えてもらう。そこが今までのサービスと違う側面だ。

 面白い事例では、ある米国の学生寮では従来、洗濯機が空くまで学生が並んでいた。しかしTwitterと洗濯機(に付けたセンサー)を連動させて、電気が切れたら「空いたよ」とTwitterでつぶやく仕掛けにした。Twitter自体の仕組みは簡単で、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を公開しているので、「こういう使い方ができる」と様々な考えが生まれやすい。

 プラットフォームとしては、場として汚れないことが大事。Twitterでは、参加している人が気持ち良く使える環境を担保することに気を配っている。使わせるために制約をかけるといったことはしない。そうすることでメディア、サービスとしての価値が出てくると考えている。