外部企業でも自由にアプリケーションを開発して公開できるミクシィの「mixiアプリ」上で、約270万人の利用者に支持され、利用者数ランキング1位を獲得しているのが「サンシャイン牧場」だ。農場で種をまき、育て、販売して耕作地を拡大したり、畜産を楽しんだりする作業をマイミク同士で楽しむ。この11月にはミクシィの「ソーシャルアプリケーションアワード」でグランプリを受賞した。
開発元の中国レクーメディアは10月27日、日本法人を立ち上げた。Infinity Ventures Summit 2009 Fallで登壇した中国レクーメディアCEOのリュー・パトリック氏にサンシャイン牧場の近況や、マーケティング活用の可能性を聞いた。
サンシャイン牧場の世界各地における状況について教えてほしい。
現在、中国、ロシア、米国など17のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のプラットフォームで展開している。利用者の伸び方は特に中国と日本が早い。
中国におけるユーザー数の1%が有料のアイテムを購入。日本でも同じ傾向を示している。有料アイテム購入者の平均単価は約1500円ほどだ。
ゲームの基本的な要素は共通だが、文化的な違いも考慮して国ごとにローカライズしている。例えば、日本と中国では野菜やフルーツの種類、価格などを変えている。農場の背景を装飾するデコレーションアイテムも違う。
今後、日本向けに投入する新機能は。
中国では既に提供している「工場」の機能を追加する。これは収穫物を加工するもので、たとえばリンゴと卵でアップルケーキを作ることができ、ゲーム内で高く販売できる。
そのほか、現在、「野良犬」というアイテムがあるがこれは30日間たつといなくなる。これをペット化できる機能をつけたい。なお、現在、牧場を訪問したマイミクにメッセージを表示する機能があるが、このカスタマイズ機能を拡張しようと思っている。
いずれにせよ一番早く開発するのは中国版だ。
課金ビジネス以外にタイアップなどは考えているか。
中国ではレモンジュースのメーカーとタイアップした。レモンを育て、蜂蜜を育て、収穫物を工場でブレンドするとその企業の商品が生成されるわけだ。それを通常より高い金額で販売できる。ユーザーもこうした行為を面白いと思って試してくれるし、通常の広告よりも効果があるだろう。
そのほか、ケンタッキー・フライド・チキンとは、作物を育てると果実の代わりにクーポン券が手に入るというタイアップも実施したことがある。ユーザーはそのクーポン券を使って実際の店舗に足を運ぶといった感じだ。
こういったタイアップは日本でも十分可能だ。
一部日本語がおかしいところがあるが。
当初お願いした翻訳家のレベルが少し低かったことが原因だ。しかし、逆にそのちょっとずれた日本語が好評を得ているとも聞いている。言葉に関してはあえて正確なローカライズにこだわらなくてもいいかもしれないと考え始めている。