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トップインタビュー~大淘汰時代を勝ち抜く

サービス産業の生産性を高める決め手は、連休の分散化

星野リゾート代表取締役社長 星野佳路氏

2009/10/27 ITpro
星野リゾート代表取締役社長の星野 佳路氏
星野リゾート代表取締役社長の星野 佳路氏
写真:丸毛 透

 「ゴールデンウィークを都道府県別に設けよう」――。高級旅館「星のや」やリゾート・ホテル「リゾナーレ」を運営する星野リゾートの星野佳路代表取締役社長は、こう提案する。都道府県ごとに連休の時期を分けることが、サービス産業の生産性向上につながるという。(聞き手は多田和市=コンピュータ・ネットワーク局編集委員、「経営とIT新潮流」編集長)

2008年後半からの景気後退は、観光産業にどの程度影響しましたか。

 世界的な金融・経済危機が製造業に大きな打撃を与えて、日本経済全体にその波及効果があったわけですが、観光産業はほとんど影響を受けていません。当社が運営する宿泊施設のうち、不景気が業績に響いたのは、企業利用の割合が大きい3施設だけです。ほかの施設は、軒並み増益になっています。

観光産業が不況の影響を受けない3つの理由

 観光産業が不況の影響を受けない理由は、大きく3つあると思います。1つ目は、景気が悪くなると、海外旅行が国内旅行にシフトするためです。日本人は年間1700万人が海外旅行に行きます。不況になると、昨年ハワイに行った家族が、今年は伊豆半島や沖縄に行く、そういうことが起こります。ですから、国内の観光産業には、1700万人分のバッファーがあるわけですね。

 2つ目の理由は、国内の宿泊施設の需要が偏っているためです。日本の観光産業というのは、もともと稼働率が高くない。これは、稼働率の高い日が集中してしまっているためです。旅館やホテルは、お盆、お正月、ゴールデンウィーク、土曜日だけ満室になり、それ以外の日はガラガラという状況が全国で起こっています。

 当社の施設も、8月の最初の20日間ともなると、どこも100%稼働します。100%稼働しているんだけれども、お断りしている数がその倍くらいあるわけです。もしかしたら,不況の影響で、お断りする数は減っているのかもしれませんが、稼働には影響しません。ここに2つ目のバッファーがあるわけですね。

 もう1つ、3つ目の理由があって、これは私の実感ですけれども、日本人にとって旅行というものが必需品になってきているためです。旅行の需要は本当に底堅い。私は1991年に星野リゾートの社長に就任してバブル崩壊を経験しました。そのときも、温泉旅館やリゾートの需要は非常の底堅かったんです。

子供が12歳になるまで、家族旅行は控えない

星野 佳路氏
星野 佳路氏

 それはなぜかというと、実は日本の国内旅行者の43%は小さな子供がいる家族連れだからです。家族連れは皆、子供が12歳になったら一緒に旅行してくれなくなると言っています。ですから、子供が12歳になるまでが家族旅行をできる唯一の期間なんです。家族旅行をしないで終わろうなんて思っている家族はいないんですよ。

 子供が小学校2年生の夏休みは今年だけ、小学校3年生の冬休みは今年だけ。そこで旅行をやめちゃうという選択をしてないんですよね。景気が悪くてクルマを買うのを控えても、子供が12歳になるまでは旅行は控えない。これが需要の底堅い理由です。

 それから、もう1つ国内旅行の需要を支えているのは、中高年の人たちです。引退した中高年層に市場調査をすると、一番お金を使いたいのは旅行だそうです。物はもう十分持っていて、これ以上欲しくない。従って旅行がしたいけれど、旅行は夫婦が元気なうちにたくさんしたい。ここにも、時間のリミットがあるわけですね。

不景気が今後3年間続いても、中高年は旅行を控えない

 そうなりますと、昨年9月の「リーマン・ショック」以降の不景気が今後3年間続くかもしれないとしても、その3年間旅行をしないという選択肢は、中高年層にはないんですよ。自分が元気なうちに旅行するのは、人生によって重要なことですから、今年の旅行も控えないし、来年の旅行も控えない。

旅行需要が底堅く、国内観光産業は今後、拡大することはあっても縮小することはないということでしょうか。

 そうですね。日本人にとって、家族旅行、引退後の旅行が、人生の中で重要な位置を占めるようになってきていることは間違いないと思います。ただし、国内旅行者の満足度を見ると、まだまだ低い。海外リゾートに比べると、日本の旅行の評価はまだまだです。

 実際、昨年から今年にかけて、日本人の海外旅行はもっと減るのではないかと予想していましたが、あまり減っていない。それは円高だからですが、景気に関係なく、円が高ければ、海外旅行に行ってしまおうと考える人が増えているわけですね。国内旅行よりも、海外旅行のほうが満足度が高いというリアクションが起こっているので、私たち国内観光産業の企業は、需要が底堅いところに安住していてはだめで、顧客満足度の面でもっと進化していかなければいけません。

 顧客満足度が海外のリゾートに負けないくらいの水準になったときには、1700万人の海外旅行の需要も、かなり国内旅行に向かうのではないかと思います。言葉も通じるし、保険証も使える。要するに、満足度さえ高ければ、成田空港まで行って海外に出かけて行くストレスがないほうがいいという需要が相当あると思っているんです。

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