|
財務会計ソフトの勘定奉行などで知られる、業務パッケージでは日本を代表する企業の1社である。設立から30年を迎えても、和田社長は挑戦者の気持ちを忘れず、顧客の満足度を向上させることに全力を尽くす。完全なサービスではなく、ソフトを配信するハイブリッド型のSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)を重視するのも、顧客重視の姿勢の現れだ。 設立から30年です。 MS-DOSの時代が15年、Windowsが登場してざっと15年です。社員数も700人を超えましたが、気持ちはずっとベンチャーのままです。常に挑戦する会社であり続けたいですね。 これから64ビットのコンピューティングの時代、モバイルとPCとインターネットが融合する新しい社会が到来します。新たな時代に対応した奉行シリーズを、お客様に提供し続けていくことができるかどうか、一つの正念場を迎えているところです。 2007年に発売した、「奉行V ERPシリーズ」には100億円を投じました。お客様の満足という目的達成のためにこつこつと努力を続け、変革が必要だと感じれば大胆に行動します。 業務アプリケーションの世界では、クラウドコンピューティングやSaaSなどの動きが活発になっています。3月31日には、経済産業省が進める、中小企業向けSaaS活用基盤整備事業に参加されました。 クラウドやSaaSが普及しているのは確かです。ただ最終的な方向を決めるのはお客様になります。 お客様の満足度が高い方向へ変わっていくことが重要です。満足度が高ければ高いほど、スピードの高い変化が起こるでしょう。それでも、すべてのソフトがSaaSになるわけではありません。 SaaSはどういった用途に向いているのでしょう。 オプションで利用する機能はSaaSに向いています。会計であれば、一部の申請、決済のプロセスであるとか、勤怠に関する部分、Webの給与明細などです。中核機能ではないのですが、自社で開発するのは手間がかかる。 純粋なSaaSから、ダウンロード型まで提供形態はさまざまです。当社の場合、SaaSの核はソフト配信です。サブスクリプション形式で、コンテンツを配信するように、パッケージソフトを配信します。 一度、ダウンロードしたソフトは、サーバーやパソコン上にずっと存在することになります。 “ハイブリット型”ですね。作り込んだシステムを配信して、インターネットで必要な修正ファイルを送ります。 消費税などの税金関連や郵便番号や銀行の統合などに変更があった際に、この機能が役に立ちます。 この形態が一番、コスト競争力が高いのです。ソフトをすべて配信しているのですから、使い勝手がパッケージと全く変わらないという長所もあります。 利用する際には、当社のサーバーで認証しています。契約が切れると、ソフトは残っていても、パッケージは利用できなくなるのです。 パートナーとの関係は変わりませんか。 お客様への保守やサポートは、これまでどおり、全国で約3000社のパートナーが担当します。ソフトも、パートナーのWebサイトからダウンロードできるのです。 お客様とパートナー、当社の関係の本質的な部分に変化はありません。インターネットを利用することで、ソフトの販売や保守を効率化させていると、理解してください。 何が効率化するのですか。 ソフトのインストールにCD-ROMを使う必要がなくなります。オンサイトでパートナーが保守することも、ほとんどなくなるでしょう。 お客様がワンクリックでソフトをダウンロードすれば、ソフトをインストールできます。1年間に何度か送っている、アップデート用のCD-ROMも不要になります。
出典:日経ソリューションビジネス 2009年6月30日号
pp.46-48
(記事は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります) |