8時間以上働くことを禁止したい

さきほど、8時間経ったら社員を自宅に追い返したいと言っていたが可能なのか。

 8時間で終わりと言われると、生産性が上がると思いませんか。密度の濃い仕事ができると期待しているのですが。

 すごく気にしているのは、若い人のことです。このままいったら我々の業界に若い人は来ないのではないか。長時間労働のイメージが大変強くて。この仕事はやりがいがある、とは断言できる。やりがいは大切だから、そこのところをきちっとやるのだけれど、やりがいだけで人を引き付けられない時代になった。それなら仕事のやり方を抜本的に変えてやろうと。

 もちろん若い人対策だけではなくて、倍速開発や24時間開発は、NTTデータらしい競争力強化策だと思っている。我々もパッケージを作っている。ではSAPと競争して、世界でSAPに勝てるものを作れるか。セールスフォース・ドットコムより優れたCRMのSaaSを作れるか。それはそれでそのレベルの戦いがあると思いますし、やります。でも、それはNTTデータらしい戦いではなくて、他人の土俵の上に乗ってやっているにすぎない。

(写真・小久保松直)

 世の中の仕組みが全部同じになる訳がないし、どうしても差を付けたい部分は手作りせざるを得ないのだから、そこで圧倒的な強みを持てれば世界に行っても勝てるのではないか。これが私の考え。だからお金を掛けたい。

ずっと気になっていたのだが、そもそもNTTデータの社員は開発をしているのか。

 非常に危機感を持っていて、現状は何しろ内製率が低い。正直にお話すると全部合わせても3割とか3割5分ぐらい。残りは協力会社の方々に手伝ってもらっている。するとどういうことになるか。自分でコーディングしたり、ドキュメントを書いたりするより、コーディングする人たちを管理する仕事になってしまう。