米フォレスター・リサーチのティム・シーディ氏
米フォレスター・リサーチのティム・シーディ氏
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アジア・太平洋地域でのSOA(サービス指向アーキテクチャ)の普及率は、日本が最下位――。米調査会社のフォレスター・リサーチが2008年7月に発表した調査でこんな実態が明らかになった。調査を担当したティム・シーディ氏に調査結果の詳細やその理由を聞いた。(聞き手は矢口 竜太郎=日経コンピュータ)

アジアでのSOAの普及率を調査したそうだが。

 オーストラリア・ニュージーランド、インド、韓国、中国、日本の5地域での状況を調べ、今年7月に「2007 SOA Country Adoption Trends In Asia Pacific」としてまとめた。その結果、昨年と比べSOAは一段と普及していることがわかった。

 例えば「エンタープライズレベルでSOA戦略を持ち、コミットしている」企業は12%から19%に、「明確な戦略はないが部分的に適用している」企業は23%から34%に増加した。逆に「追求しない、計画がない」企業は38%から26%に減った。

その状況のなか、日本は多くの項目で最下位だった。

 SOAの適用度合いは国によって異なる。理解や適用が進んでいても成熟度がまだまだの国もある。日本だけに課題があるわけではない。

 とはいえ、日本が最下位になった項目が少なくないのは事実だ。先ほどの「エンタープライズレベルでSOA戦略を持ち、コミットしている」企業は中国、韓国、インド、オーストラリア・ニュージーランドはそれぞれ27%、22%、21%、16%。これに対し、日本は8%と断トツで低かった。

 上記の回答に「明確な戦略はないが部分的に適用している」「12カ月以内に適用させる」企業を加えると、他の4地域はすべて6割を超えたが、日本だけ半数に満たなかった。逆に日本は「追求しない、計画がない」企業が51%もあった。この項目で半数を超えたのは日本だけだ。

 当社がまとめた指標でも、日本は最下位のデータが多かった。「現在の利用状況」「利用計画」「短期的な市場機会」「長期的な市場機会」のすべてで最下位。唯一「SOAの認知度」は他の地域と同等だった。