沈黙を破ったホリエモン,ITを語る堀江 貴文氏(元ライブドア社長)
元ライブドア社長 堀江 貴文氏
(撮影:後藤 究)
証券取引法違反の疑いで係争中の元ライブドア社長,堀江貴文氏は2008年9月8日,ITproとの単独取材に応じた。堀江氏は8月7日からサイバーエージェントが運営するブログ・サービス「Ameba」で個人ブログ「六本木で働いていた元社長のアメブロ」を開設。「思ったことを素直に書きます」と,最高裁判決を前に情報を発信していくことを宣言した。沈黙を破り,約1年半ぶりにメディアの対面取材に応じた堀江氏が,ITを語る。 (聞き手は,島田 昇=ITpro)
これまでの沈黙から一転してブログを始めたのはなぜですか。 それは暇なのと,ストレス解消と,メディアに対するけん制ですね。継続中の裁判で一審と二審はあまり目立たないようにということで,2年くらい一方的にメディアに殴られている状況が続いていました。しかし,結局はこういう結果(一審,二審も実刑判決)です。だったら,悪い情報や間違った情報などが流れていたら,ブログできちんと反論していこうかなと。 理解されなかった「通信と放送の融合」では,少し前の話から聞かせて下さい。2004年2月に「ライブドア」へ社名変更してから,「打倒ヤフー」を目指したポータル戦略としてメディア事業を展開。球団買収やテレビ局買収など,さまざな施策を計画し,失敗しました。どのように評価していますか。 結果としては失敗したので間違った選択だったと言えるのでしょう。でも,成功していれば正しい選択だったと思いますよ。 「世界一のポータルをやりたい」という話をしていたときに,テレビ局はどうしても必要でした。「ネットとテレビの融合というビジョンを明確に示していない」と批判を浴びましたが,僕のビジョンは非常に単純でした。テレビの画面にURLを流し続ける,ただそれだけでした。ネットにユーザーを集める純粋な広告媒体として,テレビ局が必要だったのです。 テレビ局を買収しなくても、CM出稿すればいいじゃないかという批判もありました。しかし、当時のテレビ局はURL等ネットに誘導するものを表示する時間をかなり制限していたし、そもそもスポットCMは既に費用対効果を考えれば割高で、売れ残りの枠もかなりあったはずです。それをテレビ局はいわゆる「番宣」という自社広告に使っています。この部分がテレビ局を買収すればタダでついてくるわけです。つまり、連結すれば、CMを出稿するのに比べ、営業費用を抑えることができると考えたわけです。 今もそうですが,メディアの主流はテレビからネットにシフトしつつあります。なぜかというと,テレビには双方向性がほとんどないからです。双方向性のあるコンテンツは「Mixi」の人気を見れば分かるように,第三者から見ても特に面白くない普通の人たち同士の会話の方が,有名人ばかりが出演しているテレビをだらだらと見ているよりも,面白いという人たちが増えているからです。逆にネットのそういう部分を知らない人たちが,仕方なくテレビを見ている。いや,彼ら彼女らは,「仕方なく」とも思っていないのかな。当たり前のようにそれを見ているだけです。 どう考えても,将来はテレビを見る時間がどんどん減っていって,それがネットに移っていくわけじゃないですか。だから,その流れを先取りしたネットを核とするメディア・グループを作りたいと考えていたわけです。世界的な複合メディア企業のNews Corporationが大手SNSのMySpaceを買収したことはその証左だし,実際にRupert Murdoch氏(News Corporation会長)と会見したときも同じように時代の流れを見て,そういう経営判断をしていました。 だからテレビそのものは,さほど興味はありませんでした。ただ,それを言い過ぎるとテレビ側の人たちが面白くないだろうと考えたので,それを声高には叫ばなかったのです。テレビを無意識に見ている人たちを,いかにネットの世界に連れてくるかが重要なことだと考えていました。 |