――合併の進捗状況は。
2008年6月30日までに手続きを完了するように作業を進めている。新会社は本社を米San Franciscoに置き,EmbarcaderoのWayne WilliamsがCEO(最高経営責任者)となる。従業員は500人ほど。人員削減の意向はないので,現在CodeGearで働いている従業員はみんな新会社で働くことになるだろう。CodeGearのオフィスは少なくとも2010年まではScotts Valleyのままだ。従業員が同じ場所で働けることの意味を,Embarcaderoの経営陣もわかっていると思う。
――CodeGearの名前は残るのか。
新会社は「DatabaseGear」と「CodeGear」という二つのブランドを持つ会社になる。DatabaseGearは旧Embarcaderoのデータベース・ツールを,CodeGearはこれまでと同様の開発ツールやデータベース管理システムを担当する。2社の製品はオーバーラップしないので,開発をやめる製品はない。Delphi,C++ Builder,JBuilder,3rdRail,Delphi for PHP,Interbase,Blackfish SQLなどを安心して使ってほしい。2社は販売地域でも補完関係にある。Embarcaderoは海外売上と米国売上が25:75だが,CodeGearは60:40。お互いの営業力を活用できる。
――日本法人はどうなる。
Embarcaderoの日本法人を設立し,20名弱の日本のCodeGearスタッフはそこに移籍する。日本法人の当面の課題はCodeGearビジネスの継続と拡大だ。Embarcaderoの製品は,日本では日揮情報ソフトウェアが販売してきた。そのビジネスも継承していく。
――今後の製品計画は。
今年後半に投入予定のDelphi/C++ Builderの次期版(コード名「Tiburon」)はUnicode対応になり,2009年の「Commodore」はネイティブ64ビットになる。TiburonがWin32にフォーカスしていることもコメントしておきたい。Delphiの顧客は80%がWin32版のみを使用しており,.NET版を併用している顧客は20%に過ぎない。