ソフト開発

インタビュー

日経デザイン

誰もが1つは,誰かを幸せにできるコンテンツを持っている

まぐまぐ 代表取締役 横尾 茜氏

2008/06/06
矢野りん=ライター

 メールマガジン配信サービスの大手であるまぐまぐの新しい代表取締役に,2007年11月1日に就任して約半年。様々な新規事業を企画中の横尾茜氏に,メールマガジン(以下メルマガ)の今と,今後の事業戦略について聞いた。(聞き手は矢野りん=ライター)



<b>写真1</b>●まぐまぐ 代表取締役 横尾 茜氏
写真1●まぐまぐ 代表取締役 横尾 茜氏。手にしているのはマスコットキャラクター「まぐまぐちゃん」
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ブログの流行など情報配信の手段が多様化している。メルマガ事業を取り巻く環境に変化は見られるか?

 ブログが流行った結果,ネット上のコンテンツの量は増えた。しかし我々にはコンテンツの質という部分に優位性がある。まぐまぐが扱うメルマガは,発行申請時に見本誌を提出してもらって内容をチェックしている。申請のあったメルマガ全体の約半分がふるいにかけられている。さらに,半年間発行が滞った媒体は終了させるなどして質の保持に努めている。またブログと異なり,メールはプッシュ型だ。「届くメディア」である点が変わらないのも,強みではないだろうか。

 とは言っても,変化の必要性は感じている。サービスを始めたころはネットの回線速度が遅かったので,メールは唯一の手軽な情報交換形式だった。今はもっとリッチになって来た。そこで,メルマガ配信事業に留まらない新しいまぐまぐ作りに挑戦したい。2007年11月に企画開発部を設立した。2008年は新サービスのリリースを順次行う予定だ。

 現在発行中のメルマガは3万8000誌。一定量を確保している状態ではあるが,ここ数年横ばいになっている発行量を積極的に増やしたい。

新規事業はどのようなものか。

 2008年6月からオンラインレッスンの総合サイト「echole(エコール)」を開設した。メルマガの発行者である「書き手」を「回答者」に,メルマガを「動画」に置き換えたサービスだ。

 メルマガの書き手との交流の場で,「自分のノウハウを広めるためにセミナーを開催するなどの活動をしているが,個人なので限界がある」という話を聞いた。それなら弊社が新しく場を提供しよう,と考えた。

 回答者になるためには申請して,企画内容などの審査を受ける必要がある。通ればWebカメラとヘッドセットを用意するだけで利用者とやり取りができる。回答者として現在,78名の登録がある。滑り出しは好調だ。

占いや外国語の個人レッスン,ギターレッスンまで幅広いジャンルがそろっているようだが,メルマガと異なり,相談料はポイント制で有料という点がハードルが高い気もするが。

 確かに,いきなり有料で始めるのは難しいだろう。まずコミュニティ作りから始めて,移行してはどうだろうか。多くの回答者はメルマガで一定の読者を持っており,すでにコミュニティを作っている人だ。中には,有料のメルマガを配信して人気を集めている人もいる。まずは知り合い同士が集まる場として使ってもらえたら良いと思う。

対面するからこそ起こるトラブルもありそうだ。

 基本的には回答者側の責任を重視していただく方針だが,トラブル報告にはすぐに対応する。メルマガでも有料版の「まぐまぐプレミアム」に関する苦情は極めて少ない。有料だからこそ,発信者側も責任感を持つということではないか。ぜひ気軽にインターネットの可能性や楽しさを感じる機会にしてもらいたい。

 これからは距離を縮めること,時間を節約することに対してお金が支払われる時代になる。そういう方向で利便を追求できる企画はたくさんある。

今後の課題は?

 まぐまぐで情報を発信する世代の中心は30代。そのため,携帯電話に対するリテラシがやや低いようにも思う。若い層には携帯向けのメルマガ「ミニまぐ」需要も伸びてきている。

 メールというメディアの場合,PCよりも携帯に向けて直接飛んでくるほうが,コンテンツに対する印象が深くなる。メールの体裁を携帯用に整えたり,文字数制限を理解するなど多少の違いはあるが,携帯向けメルマガの活用をぜひ検討してもらいたい。

 私は誰よりもメルマガ発信者のファンだ。発信者の表現をいろいろな形で手助けさせてほしいと思っている。これからも素晴らしい書き手と直接意見交換することで勉強したい。

 それに誰もが1つはコンテンツを持っているものではないだろうか。それを発信することで誰かを幸せにできるはず。自分が持っているコンテンツの価値を認識してほしい。



[メルマガ面白コンテンツの例]

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