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ログ管理システムを開発するベンチャ企業である米ログロジックは、2002年の創業時から、毎年2倍以上のペースで成長を続けている。500社近い顧客の多くは大企業で、年内にも750社まで伸びる見込み。日本法人設立の準備を進める同社のCEO(最高経営責任者)のパトリシア・スルツ氏に製品の強みや導入事例について聞いた。(聞き手、安東 一真=日経コンピュータ)

ログロジックの製品の強みは何か。

 不正アクセスの監視から、J-SOXなどのコンプライアンス対応まで幅広く対応できることと、SOA(サービス指向アーキテクチャ)などの標準規格に準拠しアプリケーションの作り込みが容易なことだ。

 ソフトウエア開発を支援するため、年内にも開発者向けのコミュニティ・ポータルを立ち上げる計画である。私は、米サン・マイクロシステムズでJavaをはじめとするソフトウエア部門を率いた経験があり、開発者コミュニティの重要性を十分認識している。

 アプライアンス製品なので導入が容易なこと、数百Tバイトものログを効率的に管理できるスケーラビリティがあることも強みである。

具体的な導入事例を教えてほしい。

 ある大手小売業者は、3000カ所近くの店舗に当社のログ管理アプライアンスを導入した。クレジットカードなどのトランザクション処理や、従業員によるシステムへのアクセスなどすべてのログを監視している。

導入効果はどこにあるのか。

 クレジットカードなどの詐欺は世界で大きな問題になっている。ログ管理システムで、何度もエラーが出るなど通常とは異なる処理を見つけるとアラートが出る。それまではそうしたカード詐欺を見つけられなかったことで手数料が上がり、大幅なコストアップになることがあった。当社のシステムの導入コストは、6カ月で回収できたと聞いている。

 カード加盟店が準拠を迫られているセキュリティ基準「PCIDSS(Payment Card Industry Data Security Standard)」への対応にも当社のシステムが有効だ。