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編集長インタビュー

【前編】モバイル・ブロードバンドの時代が到来,日本の携帯産業はもっと国際競争力を

イー・モバイル
代表取締役会長兼CEO
千本 倖生氏

2008/05/07 日経コミュニケーション
出典:日経コミュニケーション 2008年4月1日号99ページより
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
目次一覧
【前編】モバイル・ブロードバンドの時代が到来,日本の携帯産業はもっと国際競争力を

HSDPAによるモバイル・データ通信サービスを開始してちょうど1年が経過したイー・モバイル。3月28日には音声サービスも開始し,サービスの幅を広げ始めた。千本会長に「他社とは逆」とする音声サービスの戦略,日本の携帯業界が世界に立ち遅れているという主張の真意,そして2.5GHz帯無線ブロードバンド免許申請の舞台裏を聞いた。

データ通信のサービス開始から1年が経過した。振り返ってみてどうか。

 モバイルにとっての2007年,2008年は,固定通信の2000年に当たる。この年に,それまでの音声電話からADSLや光に移りだした。携帯電話事業者のビジネスモデルも今,「インターネットの時代,ブロードバンドの時代」に変わろうとしている。

 当社のサービスエリアは日々拡大しているが,都市部からしか展開できないためデータ通信にフォーカスした。それが良いインパクトを与えられた。最大7.2Mビット/秒のサービスを50ドル程度の料金で使い放題で提供している。サービスは利用に制限や条件がなく,SkypeもP2Pも使える。他社も定額サービスをやっているが,実際は制限付き,条件付きだ。

 手応えも予想以上にある。2008年3月末までの獲得目標は30万。2月末までの累計で,かなり近いところまできた。1月の純増数はNTTドコモを超えた。たまたまドコモが苦労しているタイミングと重なったからだと思うが,新生オペレータが巨大なドコモの純増数を上回るのは,やはり今は時代の変わり目ということだろう。

 カバー率は2007年12月末で50%を超えたぐらい。今年6月末で75%にする計画だ。サービス提供地域は3月末までに全都道府県に広げることになっており,大都市圏と県庁所在地から順次エリア化を進めている。ドコモとのローミングによりエリアをカバーしているが,その契約は2010年10月末までだ。

ターゲットとするユーザー層は。一般のユーザーには通常の携帯電話と違う分,料金体系が分かりにくいようにも見えるが。

千本 倖生(せんもと・さちお)氏
写真:山田 愼二

 分かりにくいというが,それは既存の携帯電話事業者だろう。割引がたくさん付いていて,私にも分からない。当社が一番簡単だと思うし,簡単だから売れている。

 基本的には「プロシューマ」といわれる層を目指していたが,一般コンシューマにも結構買っていただいている。

 最大速度は7.2Mビット/秒,実質で5Mビット/秒程度を使えるため,固定ブロードバンドを置き換える動きになってきている。

 光ほど高速になっても,コンテンツはない。4M~5Mビット/秒と50Mビット/秒では変わりがないのだ。だから,どこへ出掛けてもパソコンを使って客先でプレゼンテーションできる,公園で時間待ちにダウンロードできるという使い方が増えてきている。

 2月にバルセロナで開催された「Mobile World Congress 2008」に行ってきたが,“携帯電話が音声からモバイル・ブロードバンドへ”を象徴した展示会だった。会場では海外の大手機器ベンダー数社から「あなたのところは世界の最先端を行っている」と異口同音に言われた。

 その一方で,私は日本の携帯電話は世界で遅れていると言ってきた。それはこの展示会でも感じた。

日本の携帯電話はどこが遅れていると感じるか。

 バルセロナの展示会には,日本の携帯電話ベンダーがほとんどいなかった。出展していてもノキアやサムスン電子,LG電子などに比べて,スペースはとても小さかった。

 日本の消費者は「日本は世界の携帯先進国」という誤ったイメージを持っているかもしれないが,日本の携帯は世界からとり残されている。誰かが独自の生態系が発達した“ガラパゴス諸島”になぞらえたらしいが,その通りだ。

 なぜそうなるかというと,付加的な“おまけ”の機能で騒いで携帯電話機本体のことをきちんと考えてこなかったから。ドコモはiモードを作って,ほかに入れないようにした。私はこのモデルは大失敗だと思っている。囲い込みで小さいことばかりやっているから,世界に通用しなくなる。結局,迷惑を被るのは消費者だ。

 最近ようやく日本でもBlackBerryを使えるようになったが,それまでは米国人が来日したら「日本では,BlackBerryは使い物にならない」と文句を言っていただろう。日本で使えないということは,日本のものが世界に行けないということ。オープンにして,世界に飛び出しても戦えるものにしなくてはならない。

 おまけは世界に通用しないという認識を持たないと,日本の携帯産業は国際競争力を完全になくしてしまう。日本のハイテクや通信産業の運命にかかわる問題だ。今はもう,モバイルしかないのだから。これから1年くらいの間に,国家戦略をどう切り替えていくか。総務省での議論に期待している。

>>後編 

イー・モバイル代表取締役会長兼CEO
千本 倖生(せんもと・さちお)氏
京都大学工学部電子工学科卒業。フルブライト交換留学生としてフロリダ大学修士課程・博士課程修了,工学博士(電気工学)。日本電信電話公社(現NTT)を経て,1984年に第二電電(現KDDI)を共同創業し同社副社長。1996年に慶應義塾大学経営大学院教授に転じる。1999年にイー・アクセスを創業し,代表取締役社長兼CEOに就任。2005年1月から代表取締役会長兼CEO。イー・モバイルの代表取締役会長兼CEOを兼務する。国内外のベンチャー企業のアドバイザーなども務める。趣味はゴルフ。

(聞き手は,松本 敏明=日経コミュニケーション編集長,取材日:2008年3月3日)

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