米RSAセキュリティ コーポレート開発ワールドワイド・マーケティングのジム・メルビン副社長
米RSAセキュリティ コーポレート開発ワールドワイド・マーケティングのジム・メルビン副社長
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 米EMCのセキュリティ部門であるRSAセキュリティは、「07年に25%成長し、08年も同等の成長を続けたい」と意気込む。米国本社でRSA全体のビジネスを統括するジム・メルビン・コーポレート開発ワールドワイド・マーケティング副社長にその戦略を聞いた。(聞き手は安東 一真=日経コンピュータ)



RSAセキュリティのビジネスはいまどうなっているのか。

 ワンタイム・パスワードなどの認証ビジネスが全体の7割程度と大きい。残りの2割がログ管理システムで、1割が暗号化や情報漏えい対策のソリューションだ。ただし伸び率が高いのは、ログ管理システムや暗号化のビジネスである。今年は特にログ管理システムを伸ばし、暗号化は今年から来年にかけてさらに成長させていきたい。

ログ管理システムはなぜ伸びているのか。

 従来はセキュリティ・ツールの位置付けであり、企業とインターネットの接点でしか使われていなかった。それが米国SOX法に代表されるコンプライアンスへのニーズで、大きく変わった。企業システム全体で使われるようになり、管理対象の機器数がぐっと増えた。

 競合の米ログロジックはログのアーカイブに注力し、米アークサイトはリアルタイムの脅威検知に力を注いでいる。RSAの「enVision」なら、すべての機能をオール・イン・ワンで提供できる。用途ごとに異なる製品を導入するよりも、1システムですべてをカバーすることが求められている。

具体的な今年の製品戦略を教えてほしい。

 認証システムでは、複数の認証手段を組み合わせて利用できることが求められている。第二四半期(4~6月期)には、ワンタイム・パスワードや、オンライン・バンキングなど向けのリスク・ベース認証などを組み合わせられる次世代認証システムを発表する。

 暗号管理製品では、暗号鍵をEMCのストレージで統合管理できるようにする。製品の強化でさらに市場を広げていきたい。