2008年2月22日、マイクロソフトはオンラインストレージサービス「Windows Live SkyDrive」を開始した。同社のオンラインサービス事業部プロダクトマネージメントグループWindows Liveチームプロダクトマネージャーの柏木淳氏にサービス開始の狙いを聞いた。
■どういったユーザーにどれくらい利用してもらえると考えているか。
既存の無料ストレージサービスはおおよそ数十万人規模で使われていると聞く。そういった意味では、SkyDriveもそれくらいは使ってもらえるかなとは思っている。特に、モバイルパソコンユーザーにとってはメリットのあるサービスだ。例えば、最近話題になっている「Eee PC」(編集部注:アスース・ジャパンの低価格モバイルノートPC)。ああいったモバイルパソコンでは、ローカルのストレージが圧倒的に少ない。そういった場合にSkyDriveを組み合わせて使ってもらうことで、パソコンの不利な部分をカバーできると考えている。ストレージというのはパソコンを使う上でなくてはならないもの。そういった意味では、SkyDriveを使うためにWindows Live IDを取得するユーザーもいるのではないかと考えている。
■同様のストレージサービスはほかにもあるが。
ストレージサービスはほかにもあるが、無料で提供しているものは少ない。認識している範囲で「Yahoo!ブリーフケース」くらいだ。そういった意味では、まず無料というところは大きい。さらに、5GBの保存容量と1ファイルの容量の大きさ(50MB)という部分でYahoo!ブリーフケースより優位性がある(Yahoo!ブリーフケースは保存容量が無料で30MB、ファイル容量は5MB)。
■グーグルの「Gmail」や「Google ドキュメント」をストレージのように利用しているユーザーもいるが。
確かに、無料とストレージ容量の大きさという部分ではメリットがあるため、そういった使い方をするユーザーもいるかもしれない。グーグルが真正面からストレージサービスを出してくるとしたらそのときは分からないが、今はまだGmailはあくまでメールサービスだし、Google ドキュメントはコラボレーションツール。ストレージサービスとしての使い勝手を見た場合、SkyDriveが有利だと考えている。
■(オンラインオフィスサービスの)「Office Live Workspace」との連携は。
今のところ、SkyDriveはあくまで純粋なストレージサービスであり、コラボレーションしたりすることはあまり考えていない。実際、共有フォルダ内のファイルはユーザー同士のやり取りの中で上書きされる可能性もある。
ただ、ほかのサービスとの連携はあると考えている。例えば、Windows Live Messenger。これはピアツーピアのコミュニケーションなので、セッションが終わったらそこでやり取りしたファイルなどはなくなってしまう。それを簡単にSkyDriveに保存できたりするなど、今後のLive戦略の中で色々な可能性を考えていきたい。