NECビッグローブ 執行役員 パーソナル事業部長 古関義幸氏  撮影:皆木優子
NECビッグローブ 執行役員 パーソナル事業部長 古関義幸氏  撮影:皆木優子
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 2007年末に次世代高速無線通信のWiMAXの免許をKDDIとウィルコムが取得した。NECビッグローブも当該2社以外の合弁会社に出資していたが、落選。2009年には開始予定のWiMAXなどを試用したサービス展開や事業の展望などを同社の古関義幸執行役員に聞いた。

■次世代高速無線通信のWiMAXではビッグローブの出資会社が免許を取れなかった

 残念ながら結果としては免許は取得できなかったが、心配はしていない。MVNOとしてWiMAXの商品はやりたいしできると思っている。

 絶対やるのはまずはもちろん接続サービスだ。光のユーザーと一緒にパックで外でのネット環境をWiMAXで提供していきたい。IDを共通化し、家庭の中でも外でもビッグローブのユーザーは同じIDでサービスを利用できるようにする。2009年のサービス開始に向けてアイデアベースのものからさまざまなことを考えている最中だ。

■WiMAXはFTTHの競合になると言われてもいるが

 光がWiMAXに凌駕されるとは全く思わない。例えば、将来的にFTTHでテレビを見る時代に絶対なる。その場合、無線は帯域の都合で制限がある。一方、光にはない。そういった面からもWiMAXは光には絶対勝てない。FTTHとWiMAXは併用されることになるはずだ。

■WiMAXを利用してサービス展開をする場合、他社との差別化はどうやっていくか

 固定とWiMAXを組み合わせたサービスはできるという前提。インフラよりも、その上で何をやるかの方が重要だ。そこで他社との差別化を図れる。価格だけで戦うのはできるだけやめたい。ユニークなサービスで戦っていくつもりだ。

 例えば、現在試験サービスとして展開している音声合成技術を利用した「アリスプロジェクト」。アニメのローゼンメイデンの「真紅」というキャラクターの声を使って、ユーザーが好きなことを話させるサービスだ。このサービスは2007年12月から開始し、初日でサーバーがダウンするほどだった。こういった今までにないユニークなサービスを多様に展開し、MVNOとしてトッププレイヤーになっていくつもりだ。

 「楽しさ」とか「かわいい」といった面ではSo-netのモモちゃん(ソネットエンタテインメントの「PostPet」のキャラクター)には勝てない。ビッグローブはNECのグループ会社と言うこともあって、古くからのユーザーも少なくない。パソコンオタクが喜んでもらえるサービスを出し、育てていきたいと考えている。