KDDIの松原理氏(右)と中沢信一氏(左)
KDDIの松原理氏(右)と中沢信一氏(左)
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 イー・モバイルが2007年3月にパソコン向け3.6Mbpsの定額データ通信サービスを開始したのを皮切りに、2007年10月にNTTドコモも同様のサービスを開始。KDDI(au)もその後を追うように2007年12月からパソコン向けの3.1Mbpsの定額データ通信サービスを開始した。

 定額高速データ通信では、「auが一番怖い」という関係者もいるほどで、現時点ではauが一歩リードしているといえるだろう。理由は、エリア、価格、通信と3拍子そろっているためだ。全国をカバーするエリアと、3000円から6000円程度の価格、通信のプロトコルやアプリケーションによる制限がない、というのがauの定額高速データ通信の特徴だ。イー・モバイルは価格、通信こそ見劣りしないものの、エリアがまだ整備されていない。NTTドコモは価格が4000円から1万円とやや高く、さらに通信に制限がある。

 他社にない強みを持つauに、サービスを提供した背景と今後の戦略を聞いた。

■サービス提供開始の理由を教えてほしい。

中沢氏:まず、パソコンが小型化し、持ち運びできるようになり、価格も大分落ち着いてきた。ハードウエアが整ったということがサービス提供の背景の一つだ。また、auのネットワーク網ではEV-DOを利用し、ネットワークを制御できる技術も安定してきた。これも理由の一つだ。

松原氏:時期的なことに関していえば、定額の高速データ通信サービスを提供するときが、遅かれ早かれ来るだろうと準備はしていた。ただ、他社の動向があったため、提供時期を若干前倒しして急いだことは確かだ。