■ソフトバンクモバイルの音声定額やイー・モバイルの高速データ通信定額の影響は。

 もちろん影響がないということはない。現在、データ通信端末(スマートフォンを含む)と音声端末の契約の割合は4対6程度。主力になっている音声端末において、特に苦しんでいる。

 データ通信の方も厳しいことは確かだが、現状ではまだそこまででもない。ライバルの一つイー・モバイルはまだエリアの問題があり、その点ではこちらに優位性がある。データ通信で気になるのはどちらかというと(2007年12月にパソコン向け定額制データ通信を開始した)au(KDDI)だ。

■他社に対抗できるような新しいサービスや端末の予定は。

 一つは料金の見直しを考えている。今までは、通信速度が高いプランでは月額料金を上げ、通信速度が低いプランでは月額料金を下げるというプランだった。ただ、こういった、データ速度に合わせて料金を設定するというのはさすがに市場の情勢から見ても厳しくなってきた。高速化に関しては、まずは2008年1~2月にかけて(現在の最高通信速度512kbpsから)順次800kbps対応の基地局を増やしていく予定だ。

 端末の積極的な投入も考えている。2007年はまだまだスマートフォンの創世記だったと思う。そういった意味では、Windows Mobileはまだ発展途上だ。スマートフォンを一般の友人に薦められるかといえば、まだそこまでいっていない。電話やメールを使いやすくすることはもちろん、さらに進化させたスマートフォンを投入したい。

 現在、ウィルコムのスマートフォンは、パソコンに近い「W-ZERO3」と音声端末に近い「W-ZERO3[es]」の大きく分けて2つの系統がある。特にW-ZERO3は、昨今の企業内のセキュリティ意識の高まりに応えていける製品だと考えている。

 PIM(personal information manager)は通信と融合して意味が出てきた。うまく機能やサービスを提供していけば、パソコンからの乗り換えも十分に期待できると考えている。ノートパソコンの市場はここから飛躍的に大きく成長するとは考えにくい。(スマートフォンなどで)ユーザーを見据えたサービスや端末を積極的に投入していくつもりだ。