アジャイルメディア・ネットワーク(AMN)はブロガーをネットワーク化し、メディアとして企業と接点を持つために2007年2月に設立された企業。ブロガー、ブログ読者、広告を出稿する企業と3者にとってのメリットを探るべく、様々な広告商品の開発などを行っている。ブログマーケティングの現状について、同社の坂和敏社長に話を聞いた。

聞き手:原 隆=日経ネットマーケティング


設立してから約半年経過した。企業に対しての認知度はどうか。

アジャイルメディア・ネットワーク 社長 坂和敏氏
アジャイルメディア・ネットワーク 社長 坂和敏氏

 私たちはブログを使ったマーケティングに関して、企業がお金を支払って情報を複製する、いわゆるペイ・パー・ポスト型のブログマーケティングとは一線を画した姿を目指しています。こうした姿勢に対して、着実に認知度が高まってきていると思います。企業、消費者の両方にとって意味のある新しい形態の商品開発を徐々に実現化できてきています。

先日、大塚製薬のオロナミンCのキャンペーンで採用された「ソーシャルバナー広告」もその一つか。

 そうですね。「ソーシャルバナー広告」は海外では、「Interactive Rant Banner」「Content Driven Ad」と呼ばれている新しい広告手法です。もともと、ブログに広告を出すに当たって普通に出すだけじゃおもしろくないよねという思いがありました。固定的な内容を表示するだけでなく、CGM(コンテンツ・ジェネレーティッド・メディア)的なバナーは作れないかと。

 そして、ただ露出するだけというバナー広告の評価が下がってきているという背景もありました。どれだけ長く、どれだけ深く企業のメッセージと接するか、いわゆる「エンゲージメント」が重視され始めていますので。

 今回の広告商品は大塚製薬のプロモーションサイト「キモチスイッチタギング」で投稿された記事がバナー広告に反映されていきます。完全にリアルタイムではないですが、頻繁に更新されるため、視聴者のバナーに対する親近感だったりブランドに対する愛着が育っていくのではと思っています。企画協力、媒体提供を私たちが担当し、博報堂DYメディアパートナーズ、日本技芸(東京都新宿区)、ノングリッド(東京都渋谷区)が仕組みを作りました。

ソーシャルバナー広告はどういう企業にとって意味のある商品か。

 Web2.0型といいますか、読者投稿型のサイトやプロモーションサイトが増えています。見ていて思うのは、「これはすごい!」と思うサイトでも、誰にも知られないまま終わってしまうケース。こうしたサイトはソーシャルバナー広告との相性が良いと思います。