新しいデザインのトップページ
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現在のヤフーのトップページ
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ヤフー サービス統括部企画1部トップページ企画 西田修一氏
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ヤフー サービス統括部企画1部トップページ企画 安田健志氏
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 日本最大のアクセス数を誇るポータルサイト「Yahoo!JAPAN」は、1996年4月に開設して以来のリニューアルを、2008年1月1日に実施する。今までに何度かデザインの変更はあったものの、それらはすべてマイナーチェンジ。今回は初めてのフルモデルチェンジとなる。現在はα版やβ版といったパイロット版を作りながらユーザーの反応を確かめている段階だ。リニューアルを担当するサービス統括部企画1部トップページ企画の西田修一氏と安田健志氏に話を聞いた。

■リニューアルの検討に入ったのはいつごろからか。リニューアルする理由は。

西田氏: 検討を始めたのは2006年8月くらいからです。Yahoo!JAPANがサービスを開始してから既に10年以上経過しています。またインターネットが本格的に普及してから10年が経過しました。最初のころに比べてインターネットに対するリテラシーも上がってきているし、SNSやブログなど新しいサービスが出てきています。こうしたサービスをきちんと使えるようにするのが今回のリニューアルの目的です。

 理由はもう一つあります。日本のインターネット利用動向を見ると、インターネット人口はもう劇的には増えないという時代に入ってきています。そのため、ポータルサイトとしての使い勝手を高め、今使ってもらっているユーザーのアクセス回数を増やすというのが大きな狙いです。

■具体的にどのようなデザインに変更するのか。

安田氏: 現在のデザインは2段に分けて情報を掲載しています。このデザインを分析したところ、左上にある検索窓付近を見た後、右にあるトピックスに移動してしまうユーザーが多いことが分かりました。新しいデザインでは画面を2段から3段へと増やし、左側にはYahoo!JAPANで提供する「コンテント」と呼ぶサービスを表示するようにしました。そしてアクセス数の多いトピックスは中央に配置して、より見やすいように配慮しています。検索窓も変更しました。画面中央に配置し、現状から1.7倍ほど大きくしたデザインにしています。

■リニューアルすると、トップページの情報量はどうなるのか。

西田氏: コンテンツへのリンクの数という観点で見ると、新しいデザインでは実は減っています。これは無駄なものを省くという考えがあり、あまり使われなくなったサービスなどは表示しなくなるものもあります。

 例えばWebサイトを分類している「カテゴリー」もその一つです。現在のデザインではトップページの下方に大きなスペースを占めています。ところが、以前に比べユーザーの検索リテラシーが上がっており、今では検索機能の方がカテゴリーによる分類よりも使われるようになっています。そのため、カテゴリーをトップページからは外しています。ただ、まだカテゴリーを使う人もいるので、そういう人が迷わないように右上にカテゴリーのページへのリンクを表示するようにしています。

■現状のデザインで満足しているユーザーからは反発もありそうだが。

西田氏: そうですね、今使っているユーザーに違和感なく使ってもらうことは大事だと思います。でも新しい機能などを付加したりするためにはデザインの変更がどうしても必要なこともあります。そのため、新しいデザインに慣れてもらうための工夫をいろいろとしています。今の時期からデザインを公開してユーザーの意見を求めたり、あるいは使うのを迷わないようガイドを付けたり、といったことです。

 デザインの変更は、ユーザーの使い勝手に関する意見を基に考えています。検索窓もその一つです。検索窓を置く位置を右端、左端、真ん中の3つのパターンを用意して、現在のデザインと比較して、それぞれどれくらいユーザーが使ってくれるかを調査してみました。真ん中に置けば今と同じ程度には、ユーザーが使ってくれそうだという結果になったので、ここに置いています。とにかくユーザーにいきなりデザインを変更して使いにくくなった、と思われないようにすることが基本です。

■新サービスが増えると、ポータルとしての位置付けやコンセプトも変わるのか。

西田氏: いいえ、あくまでポータルサイトという位置付けは変わりません。本来、ポータルサイトはほかの情報を探すための場所であり、そこに行けば何でも見つかるという場所です。今回のリニューアルでもそうしたコンセプトを維持しています。

■広告部門とコンテンツ部門との綱引きで、それぞれが使える面積が決まると思うが、今回はどうなのか。

西田氏: 広告は確かに大事ですが、あまり広告用のスペースを広げすぎてもユーザーにとっては使いにくくなります。今回は右上の「ブランドパネル」と読んでいるスペースを主な広告スペースとして割り当てています。テレビCMなどもそのまま流せるようなサイズとなっています。今のところ、それ以上スペースは広げられないので、今後は質を向上させていくことになると考えています。

■今後ポータルサイトとしてどのような情報やサービスが必要と考えるか。

安田氏: 今回のリニューアルは、とにかく次の10年にも使えるような基盤作りが目標です。将来的には掲示板やブログなどに「コメント」や「トラックバック」などもアイコン化して、そのユーザーにとっての新着情報を表示していくことも考えています。ネットのサービスやユーザーの使い方を見ながら、新しいサービスを追加していく予定です。

■変更履歴
記事掲載当初、広告用スペースの名称を「ブランドパス」としていましたが、正しくは「ブランドパネル」です。本文は修正済みです。[2007/11/07 18:50]