グーグルがネット広告手法の多様化を急いでいる。2007年10月には、日本で携帯電話向けコンテンツ連動型広告を本格的に始めた。米国では、「YouTube」のプラットフォームを活用し、広告付き動画をブログなどに掲載できるサービスを始めた。今グーグルが注目しているネットマーケティングは何か。国内の広告部隊を率いる執行役員営業本部長の佐藤康夫氏に話を聞いた。

聞き手:杉本 昭彦=日経ネットマーケティング

グーグル 執行役員営業本部長 佐藤康夫氏
グーグル 執行役員営業本部長 佐藤康夫氏

ネットマーケティング分野で、グーグルが注力している技術、サービスは何か。

 動画広告が“旬”。それとモバイル。特にモバイルは売り上げが伸びています。「AdWords(アドワーズ)」では、以前から取り組んできた検索連動型広告に加えてコンテンツ連動型広告も、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のグリーのケータイサイトを手始めに配信を始めました。

※編集部注 取材後の10月10日から一般のケータイサイトも広告掲載が可能になった。

ケータイ版アドセンスはどういった内容か。

 基本的にはパソコン版と同じだが、利用者と目的が異なります。従来はパソコンで検索し、購入や申し込みをするのが一般的でしたが、それがケータイにも広がったということです。仕組みはパソコン版と同じで、広告主は、検索連動だけに出すか、コンテンツ連動にも出すかを選べます。

 コンテンツ連動は検索連動以上の可能性を持つと考えています。というのも、検索連動は入力されたキーワードを元に興味をとらえます。一方、コンテンツ連動は見ているページの内容から興味をとらえるわけです。このページは毎日続々と増えており、検索連動とコンテンツ連動を組み合わせることで効果を高められます。一方だけ取り組むのは機会損失になるでしょう。

 現在はパソコン版と同様ですが、将来的にはモバイルならではというものを実現したいと思っています。ただ何を提供するか焦点を絞りきれておらず、様々な議論をしている段階です。