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大企業の期待に応えるSaaS2.0を提供する

米オラクルCRM on Demandシニアバイスプレジデント アンソニー・ライ氏

中堅・中小企業向けと思われがちだったのはSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)1.0。これからは大企業が利用する「SaaS2.0の時代が到来する」と米オラクルでCRM(顧客情報管理)のSaasを担当するアンソニー・ライ氏は語る。(聞き手は中村 建助)

ソフトのライセンス販売と並行して、オラクルはSaaSであるSiebel CRM OnDemandを手掛けている。

米オラクルCRM on Demandシニアバイスプレジデント アンソニー・ライ氏
写真●米オラクルのアンソニー・ライ氏


 Siebel CRM OnDemandのビジネスは好調だ。昨年度は3ケタ成長を記録した。Siebel CRM OnDemandがどれだけ利用されているかについては公表していないが、オラクルのCRMのソリューションの利用者は500万人を超す。アプリケーション・ホスティングを含めたOn Demand全体の利用者も160万人を突破した。

大企業の要望は中堅企業とは異なる

 これらの数値は、Siebel CRM OnDemandが大企業に受け入れられていることの証拠だろう。従来のCRM分野のSaaSは中堅・中小企業向けのニッチなソリューションだった。Siebel CRM OnDemandは大企業が安心して利用できるよう、これまでになかった特徴を備えている。

 既存のサービスをSaaS1.0とするなら、Siebel CRM OnDemandはSaaS2.0と言ってもよい。

SaaS2.0について詳しく説明して欲しい。

 繰り返しになるが。銀行などの金融機関を含めた大企業が利用できるアプリケーションであることだ。これを実現するためにはいくつかの条件を満たす必要がある。

 まずはオープンな標準に基づいていること。要望によってマルチテナントか独自のデータベースなのかが選択可能でなければならない。それから情報システム部門だけでなく利用者がカスタマイズできること。安価なハードをグリッド構成にしたインフラを用いていること。オラクルのようにSaaSを手掛けるベンダーだけでなく、企業やパートナーのどの企業でも運用できる。

 考えてほしいのだが、マルチテナントでシステムを運用して欲しいなどと考える企業は1社たりともない。運用コストの削減という面でベンダーにメリットはあるが顧客には関係のないことだ。完全なマルチテナント方式を取っていないからといって、Siebel CRM OnDemandの1カ月の利用料は高くない。主要な競合相手の米セールスフォース・ドットコムよりも安いはずだ。

Web2.0などの技術にも関心があるのか。

 コンシューマライゼーションの流れを反映して、Web2.0やEnterpris2.0の技術を積極的に取り込もうとしている。インターネットと共に育ってきた社員にも使いやすい製品やサービスを提供するための投資を継続している。

SaaSと既存のソフトを併用する

CRMについて、SaaSだけでなくソフトのライセンスも販売している。

 当社は企業のビジネス・ニーズを満たすものを提供していく。CRMと一言で表現しているがその範囲は幅広い。オラクルはCRMにかかわる統合ソリューションを提供できる数少ない企業だ。

 アプリケーションの提供の方法はいろいろあるが、何を選ぶかは顧客が決めることだ。CRM関連の顧客を見ても、すべてをSaaSあるいはすべてをライセンスでそろえる企業は少ない。必要に応じて使い分けている企業が増えている。金融機関でいうとコールセンターのシステムではソフトのライセンスを購入するが、富裕層の顧客管理にはSaaSを利用するといった具合になる。

 オラクルには、AIA(アプリケーション統合アーキテクチャ)やFusion Middlewareなど、SOA(サービス指向アーキテクチャ)を採用し、複数のアプリケーションやサービスを統合して利用できるようにする仕組みがある。このこともSaaSとライセンスを購入したソフトを組み合わせて使おうと考える企業が多い理由の1つかもしれない。

 将来、サービスを組み合わせることが一般的になってくると企業は今よりももっと、単一のアプリケーションではなくビジネス・ブロセスに注目するようになる。CRMやERPといった個別のシステムから業務について考える企業は減るだろう。

企業向けだけを手掛けるのがオラクルの強さ

(中村 建助=日経コンピュータ)  [2007/09/10]

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