写真1●サミーネットワークスの倉垣取締役(右)と佐藤執行役員 携帯電話を使って赤外線通信でプリンターから各種コンテンツを印刷できる「モバプリ」をデモ。 [画像のクリックで拡大表示] |
7月5日にKDDIのau携帯電話向けのサービスとして始まった「モバプリ」は,さまざまなコンテンツを携帯電話にダウンロードして印刷できる新しいサービスだ。歌詞カードや楽譜,キャラクターカード,料理レシピ,学習ドリル,タレント写真など,さまざまなコンテンツをモバプリのサイトからダウンロードし,赤外線通信によってモバプリ対応の家庭用プリンターから印刷する。
赤外線による双方向通信を利用し,著作権保護や管理,データの圧縮技術を取り入れたサミーネットワークスのアプリケーションプラットフォーム「muPass(ミューパス)」によって実現した。モバプリがもたらす,新しいコンテンツ流通の特徴やメリット,可能性について,サミーネットワークス 取締役 事業開発室 室長の倉垣英男氏と,執行役員 muPass事業部 副事業部長の佐藤慎吾氏に聞いた。
「モバプリ」とは,どんなサービスでしょうか?
サミーネットワークスが運営する携帯電話向けサイト「モバプリ」は,簡単に言うと印刷できるコンテンツを提供するショッピングモールです。ユーザーはまず携帯電話でモバプリサイトから好きなコンテンツをダウンロードします。そして,モバプリ対応の家庭用プリンターへ赤外線通信経由でデータを転送し,紙にプリントアウトできるのです(図1)。
図1●携帯電話を経由してプリントできる「モバプリ」 専用アプリを使って,モバプリサイトからダウンロードしたコンテンツをプリンターに赤外線通信。プリンターが印刷し終えると,印刷完了通知をアプリとサイトにフィードバックすることで印刷の権利状態を管理できる。 |
サミーネットワークスが開発したアプリケーションプラットフォーム「muPass」を用いることによって,デジタルコンテンツの著作権を保護したまま,携帯電話からプリンターへ赤外線で転送して印刷できるのが特徴です。
今回はKDDIの協力のもと,EZサービスの1メニューという位置づけでモバプリを提供することになりました。サービス開始当初は,セイコーエプソン製家庭用プリンター「カラリオ」の新機種がモバプリによる印刷に対応します。
提供するコンテンツはさまざまです。コンテンツを保有する提携企業がモバプリサイトにショップを構えて,あらゆるジャンルの多種多様な印刷用コンテンツを提供します。具体的には,ポストカードや歌詞カード,楽譜,料理レシピ,映画やキャラクターのカード,学習ドリル,履歴書,タレント写真,タトゥーシール,Tシャツのアイロンプリントなどがあります。
開始当初は,アニメキャラクターのポストカードなどを提供するサンリオ,映画関連のポストカードやフライヤーなどを提供予定のギャガ・コミュニケーションズをはじめとした全50ショップを用意します(表1)。さらに年内には,200ショップがモバプリサイトに登場する予定です。近い将来には,着うたフル提供サービスと完全に連動し,歌詞カードやCDジャケット,ポスターなどを楽曲と合わせて購入できるサービスを提供できるように検討しています。
利用料金は,コンテンツにより異なりますが,例えば料理本のページ小売りならば20円から,楽譜やキャラクターシールなどでは100円からといった価格帯です。本を1冊購入するよりも安価に,必要な分だけ印刷物を手に入れられる価格設定です。
表1●「モバプリ」のコンテンツ提供事業者(2007年5月22日時点の情報) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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