2007年2月,オープンソース・ソフトウエアのベンダーなどが集まりOpen Solutions Alliance(OSA)が発足した(関連記事)。設立企業の一社,オープンソース・スタック(検証を行ったソフトウエアの組み合わせ)の提供を手がける米SpikeSourceのCEO,Javaの名付け親としても知られるKim Polese氏にOSAの目的や活動について聞いた(聞き手はITpro編集 高橋信頼)



Open Solutions Alliance(OSA)の目的は何で,具体的にどのような活動を行うのでしょうか。


米SpikeSource CEO Kim Polese氏
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 OSAの使命はオープンソースの相互運用性の改善です。あたかも箱から出してすぐ使えるようにオープンソースを使いやすくすることです。

 相互運用性を確保するためにAPIの策定を進めています。APIの例としてはシングル・サインオン,コモン・データ・レポジトリ,コモン・ユーザー・アドミニストレーションなどがあります。

 これまでヘルプデスクやレポート,CMSなどさまざまなアプリケーション間の連携はそれぞれのベンダー間で個別に行われてきました。しかも何回も何回も同じようなことが別々に行われてきたわけです。OSAはこのような”車輪の再発明”の無駄をなくそうというものです。

 現在,SpikeSourceのほか米Unisys,米CentricCRM,米JasperSoft,スペインOpenbravoなど約20社がOSAに参加しています。

オープンソース・ソフトウエアだけを対象にしている理由は。ユーザーはプロプライエタリなソフトウエアもシームレスに使いたいと考えているのではないでしょうか。

 そのとおりです。OSAはオープンソース・ソフトウエアもプロプライエタリなソフトウエアも両方サポートします。

 ただオープンソース・ソフトウエアの世界にはMicrosoftがいません。Windowsの世界ではMicrosoftがリーダーシップをとり,APIを決めて相互運用性を確保しようとしています。しかしオープンソースの世界には明確なリーダーシップをとる存在がいない。だからこのアライアンスができたのです。

ロードマップは。

 最初のAPIはシングル・サインオンですが,既にでき上がっており,現在はレビュー中です。数カ月以内にレビューが終了し,公開できるでしょう。

メンバーはオープンソース・ソフトウエアのベンダーですか。

 米Unisysなどのインテグレータや,SourceForge.net,CollabNetなどのオープンソース推進団体もいます。Ubuntuを開発している英Canonicalなど,米国以外の企業も加盟しており,日本からもぜひ参加していただきたいと考えています。

OSAに参加するメリットは。

 OSAにはオープンソースをビジネス分野で利用してる企業が集まって非常に重要なAPIを開発しており,そこに参加することは大きなベネフィットであると言えると思います。