Linkedinに有名人はいるか。

 例えば,Marc Andreesen(Netscape Communicationsの創業者,Mosaicの作者)とか,Chad Hurley(YouTubeのCEO),Jimmy Wales(Wikipediaの創立者),伊藤譲一Joe Kraus(Exciteの創業者の1人),その他にも多数いる。

例えばMarc Andreesenの場合,どうしてLinkedinに参加する必要があるのか。彼にはすでに他の強いネットワークがあるではないか。

 彼によると,2つ理由がある。1つはビジネスを一緒にしたいなどの場合は,知り合いからの紹介が必要で,その際に有効だとのことだ。もう1つは彼の会社で人を雇う時やバックグラウンドのチェックをする時。これは非常に威力を発揮する。すべての人に電話を掛けてバックグラウンドをチェックするのは大変だが,Linkedinを利用すれば手間が省ける。

Webのパワーが認識されビジネスの応用が進む

ところで,今日本ではWeb 2.0が大きな話題となっている。Linkedinから見てWeb 2.0とは何か。

撮影:Koichiro Hayashi
 Web 2.0はユーザーの革命だと思う。それぞれのユーザーが情報発信者になるわけだから。つまり間接的ではなく直接的に発信するわけだ。

 Googleを見てみよう。アルゴリズムによってページにランクをつけるわけで,そういう意味では間接的だ。Web 2.0ではユーザーが直接的に情報を発信する。情報発信には,blogとかテキストとかflickr---ここにも私は投資しているが---のような写真や,digg---ここも投資先だ---のようなブックマークのようにLinkedinではそれぞれのユーザーが自分のプロフィールを発信し,その他に自分の信頼するネットワークの人々に関しても発信している。そういう意味で直接的だ。

Linkedinを創ろうと考えているときに,既にWeb 2.0の概念はあったのか。

 いや,それから1年半後に概念が固まった。私はTim O'Reillyと一緒にWeb 2.0の概念を設定したグループの1人だ。

LinkedinはWeb 2.0の例か。

 もちろんだ。それぞれのユーザーが,自分に有益な情報を,アクティブに,直接発信しているからだ。

大部分のWeb 2.0の例はコンシューマをターゲットにしている。Linkedinはビジネスにターゲットを絞っているという点でユニークだ。他にそんな例はあるか。

 37signalsのプロジェクト管理サービスBasecampや,productivity toolで複数の人にメールを配信するものなどがそれにあたると思うが,これまでは非常に稀だった。現在のWeb 2.0は,エンターテイメントや写真を見るという段階だが,色々試しているうちにWebが本当にパワフルなツールだということが理解されてきて,これからもっとビジネスへの応用が見込まれる。