時間がないビジネス・パーソンに「時間の節約」を訴える
なるほど。しかし,いわゆるSNSとかコンシューマ向けのそういったサービスはまったく考えなかったのか。
Reid Hoffman氏 |
撮影:Koichiro Hayashi |
先ほど,全部で900万人以上が参加していると言ったが,最初に目標とした参加者数はあったのか。
いや,非常に謙虚な数だ。つまり,世界中のビジネスパーソンをすべて会員にすることだ(笑)
確かに謙虚な数字だ(笑)。それにしても最近の増加率はすごい。いつごろから増加率が激増したのか。
覚悟はしていたが,当初,ビジネスパーソンにメンバーになってもらうことは予想以上に困難だった。SNSだと,ユーザーの多くは遊び感覚の20代で,新しい技術にも抵抗がない。これに比べ,ビジネスパーソンというのは,30歳以上で時間がない。そういう人たちに新しい友達ができますよと言っても,反応は「とんでもない。今いる友人と話す時間さえない」となる。もっとインターネットで時間を費やしたいかと聞くと,「いや,時間がない。時間の効率をあげないと。」という反応だ。
だから,チャレンジは「いや,これを使えば時間をもっと有効に使えるのだ」と説得することだった。このメッセージを理解してもらうのに時間が掛かったが,ようやく分ってもらえ始めた。それで,増加率が上がってきたのだ。
いつごろクリティカル・マスを越えたと感じたか。1年くらい前か。今ではLinkedinに参加していないとこの業界ではもぐりだと言われる。
たぶん去年の初めから中ほどにかけてだろう。もちろん,科学的に解析したわけでなく,感覚的なものだが。
YouTube CEOやNetscape創業者も会員
Linkedinのおかげで会社ができたという話も聞いた。
例えば,Scott RafarのMyBloglog(コラム記事参照)や,人探しのWinkがそうだ。
Linkedinは会社を設立する際に人を集めたり,投資してくれるベンチャー・キャピタルを探したりするのに使われる。シリコンバレーのベンチャー・キャピタルの95~98%はLinkedinのメンバーだ。
Linkedinの意外な使い方というのはあるのか。
ヘッジ・ファンドが専門家を探したり,有名な医者を探したりするのに使われれることもある。
一番面白いと思ったのは,デンバーに移ることになったエンジニアが職探しをするとき,デンバーで自分のプロフィールに近い人を探して,その人々がどの会社で働いているかを検索,それで結局そのうちの1つの会社に就職することができた,という話だ。パブリックにプロフィールが発信されていて,信頼のネットワークで繋がっているからこそできたことだ。