ビジネスに特化したSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)であるLinkedinは,会員900万人を超え,就職や商談の相手探しなどシリコンバレーでのビジネスには欠かせないと言われる存在になっている(関連記事)。Linkedinはどのように作られ,なぜ成長したのか。どのように使われているのか。誰が参加しているのか。コンシューマではなくビジネスを対象にしたWeb 2.0の可能性は。日本進出の予定は。Linkedinの創業者で会長のReid Hoffman氏に聞いた(聞き手は岸本善一 米IPDevices 代表)



Linkedinはいつサービスを始めたのか。

 
  Reid Hoffman氏
  撮影:Koichiro Hayashi

 最初に会社のコアとなるチームを集めたのが,2002年末。会社の登記は2003年の3月で,最初にサービスを開始したのは2003年の5月だ。

LinkedinはSNSではない

Linkedinとは何か。ユーザーにとってのメリットは。

 ビジネスのプロにとってのLinkedinのメリットは,2つの観点から語ることができる。

 1つはインバウンド。これはどういうことかというと,誰かがあなたにコンタクトするということだ。例えば,音信不通になっている以前の同僚や同級生や,コンサルティングやアドバイザーとして専門知識を求める人や求人のためなどにコンタクトする。

 アウトバウンドはその反対で,あなたが以前の同級生を探したり,コンサルタントを探したり,誰かを雇おうとしたり,ビジネス・ディスカッションをするためのコンタクトだ。

ということは,Linkedinは単なるSNSではないということか。

 そうだ,我々はビジネス・ネットワーキングと呼んでいる。

その違いは。

 SNSはエンターテイメント,デート,イベントやパーティに関することが主な用途だ。ビジネス・ネットワーキングはいかに自分のキャリアを向上させるかということに利用される。つまり,どのようにして与えられた問題を解決するかとか,どのようにビジネス・チャンスをつかんで,更にビジネスの分野で自分を磨くか,ということだ。私はSNSのFriendsterやFacebookにも投資しているので,両者の違いが良くわかる。

月に50万人づつ増加

今,何人が参加しているのか。前に850万人と聞いたが,毎月増加しているようだ。

 
Linkedinの画面

 まさにそうだ。現在,900万人を越えた。

月あたりの増加数は。

 50万人ずつ増えている。

一番多い国はどこか。アメリカか?

 確かにそうだが,現在アメリカ50%で海外が50%だ。当然,英語を話す国が中心になっている。英国,カナダ,オーストラリアなどだ。しかし,フランスやオランダやその他多くの国からの参加がある。日本からの参加は少ない。これは,私の友人の伊藤譲一氏からの情報だ。

日本からは何パーセントくらいか。

 大体1.5%くらいだ。